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教育法

2013年9月24日 15時44分44秒 (Tue)

子供の思考力向上法

 今日は思考力向上法についてお話したいと思います。
 当然のことだと思われるかもしれませんが、世界は進歩しています。それは人々が日々、進歩しているからです。ありがたいことに偉大な先人の発見を当然のこととして学び、また、最近の研究結果も同様に吸収し、それを基にさらに発展したものを構築し、さらなる社会の進展へと導く。Sinroも同様であり、その教授・教育法は常に発展しています。
 OECDが実施する国際学力調査、PISAで、フィンランドはPISA2000とPISA2003で、読解力が連続世界一、加えてPISA2003では科学的リテラシーでも1位、数学的リテラシーでは2位でしたが、Sinroもこのような成果をもたらした背後にある思考力・想像力形成教育過程・方策に着目し、当教育方針、現場に導入しています。
 小さい子供のうちは論理脳(左脳)は未熟であると言われ、現実に小さなお子さんに論理を要求するのは酷ではありますが、実は、脳形成発達途上の子供のうちから、思考力・想像力養成は可能であるということです。逆に、それを常に念頭におき、目標とすることでさらにその能力を伸ばすことができますし、それを行わないことはその子の能力発展阻害の要因となるともいえます。この研究を踏まえ、あらゆる学習過程において、@原因・過程・結果の因果の流れ、A演繹的手法による『仮定想定から未知の場合への問題解決・応用』、B帰納的手法による『定理から個別処理への問題解決・応用』、を当教育現場での授業に取り入れています。
 具体的には、子供の身近な素材、題材をもとに「なぜ」「どのように」「どうしたら」を問いかけ、思考力・想像力向上への訓練を行うということです。
例を挙げれば、地理や国語の読解でよく出てくる針葉樹と広葉樹。子供たちはなんの疑いも疑問もなく、ただ漠然と読んでいるものの、そこで、「針葉樹と広葉樹の地図記号はこうだけど、これは葉の形からだよねえ。では、なぜ、こんな風に葉の形が違うのだろう」、と問いかけます。知識のある大人ならそんなこと当たり前だろうと思うかもしれませんが、今まで考えたこともなかった子供は違います。「えっ、分からない。」しかし、そこでただ無条件に知識を与えてはいけないのです。考えるためのヒントを与える。その子の能力・段階に応じてふさわしいヒントを徐々に、です。それにより、長すぎず短すぎず、適切な時間で答えを出すように導きます。「みんな、 ダーウィンの進化論は聞いたことがあるかな。キリンの首はなぜ長いのだろう。高い木にある実を取ろうとして、えーい、えーいと頑張って首を伸ばしていたら長い年月の間に進化が起こり、首が長くなった、という説だよ。それでは針葉樹の葉はなぜあんなに細いの。」―このヒントと問いかけの後、さらに地理で出てくるロシアの有名なタイガなどのヒントを出し、答えを導きます。これは@原因・過程・結果の因果の流れに当たります。
また、ある日、子供がペンを細い溝に落としてしまった。手を伸ばしても入らない。さあ、どうしよう。「先生、ペンが落ちてしみました。取れません」、だけではいけません。「そうか、ではそのためのアイディアを出してもらおう。」です。この場合は必要なのは磁石なのか、細い針金なのか、何なのか。これは個別事案処理のための、A演繹的手法による『仮定想定から未知の場合への問題解決・応用』ということになります。
 毎日の勉強の中、何の科目をしても他の科目と関連しており、勉強とは決してその科目だけの狭いものではないということが理解できてきます。そんな中、一日わずか10分程度でそんな思考の訓練を行う。それが早いうちから創造力を高める要因となります。

2013年9月23日 15時45分56秒 (Mon)

予測・推測に基づく数学

今日は私の取り組んでいる予測・推測に基づく数学についてお話したいと思います。
 物事何でも予測可能性を考えて行動することが必要ですが、数学も同様です。数学ができるようになるためには、結論を見据え、求められた結論を求めて、いかに簡単な方法で、いかに数字・記号を操作するかということです。問を見て、すぐに求められた解答の形、過程を想定できる、そしてそれにあわせて操作し、解答を導くことができる。数字感覚を身につければこの過程を短時間で行うことができます。

 高校数Aにはユークリッドの互除法が加わりましたが、今日はこの互除法を予測・推測をして早く解いていきましょう。

まず、ユークリッドの互除法とは、
自然数a、bについて、aをbで割った時の余りをrとすると、
a=bq+r
aとbの最大公約数はbとrの最大公約数に等しいという性質を利用して2つの整数の最大公約数を求める方法です。

例えば140と63の場合
140=63・2+14
63=14・4+7
14=7・2+0
よって、140と63の最大公約数は7と出します。

ここで生徒の解くのを見ていると、まず、140÷63をまともに、小学校の時割り算を習った方法で計算して解の2と余り14を出し、同様に63÷14を計算して解の4と余り7を出し、という風に計算していきます。学校で先生はそのように計算しているのでしょうか。。。
しかしそんな小学生のような計算は遅いのです。ここで、さっと140の中に63は2個だなと予測して63×2=126と、暗算でだし、140−126を計算します。

これも  140
    <下線>− 126</下線>
      14
 と小学校で習った計算をせず、126に4を足せば130であるから、140−130=10、10+4=14と暗算で出します。同様に63の中に14は何個あるかと考えますが、14を15と考え、15×4=60であるから、63の中に15は4個あると推測し、14×4=56と暗算で出します。そして、56に4を足せば60であるから、63−60をし、その解3に4をたし、余り7を出します。このように計算すると、暗算で計算が大変早く出せます。

 いかがですか。この数字の中にこの数字は何個あると推測、そして計算しやすい形に直して暗算、進路アカデミーでは常に予測・推測に基づいた計算を指導しています。

 次に大阪市大の問題を見てみましょう。

 設問

方程式48x+539y=77を満たす整数解x、yを全て求めよ。
まず、48x+539y=77・・・@
の整数解の1つを見つけなくてはなりません。77という数字は7×11であり、他方539の1の位9の数字からこれも7×□となるのではないかと予測。(1の位が9の場合は3の倍数の可能性というのは誰でも出るのだが、7の倍数というのは高校生でも出ない子がいます。これは必ず覚える!)
予測通り、539=7×77となります。

とすると、この式は
48x+77・7y=77と表すことができます。ここで、77・7yと=77で77が共通であることから、yを7と置けば7・7=49で48xの48と1違いであるからx側の方にマイナスを置き、
48・(−77)+77・(7・7)=77
とすればいいなと気づきます。そこで、整数解の1つはx=−77、y=7と導けます。これを@にあてはめ、
48・(−77)+539・7=77・・・A
@ −Aより、48(x+77)+539(y−7)=0・・・B
48と539は互いに素であるから、Bを満たすx、yはx+77=539k、y−7=−48k(kは整数)と表すことができます。

従って、@のすべての解はx=539k−77、y=−48k+7(kは整数)
いかがでしたが、もとの式をどう変形すればいいか予測していくことが大切です。常に予測・推測することで、その通りに答えを導くことができるようになります。


2013年7月20日 2時11分50秒 (Sat)

優れた能力ある人間はいかにしてできるか。

  
 紀元前770年春秋時代を経、紀元前403年戦国時代、秦は武力を背景に諸侯を威し領土の割譲を求む。洛陽の人に蘇秦という者あり。楚・斉・燕・趙・魏・韓の六ヶ国同盟を説き、秦を排斥しむけんとす。その時蘇秦の諸侯に説ふた諺に曰はく、「寧ろ鶏口と為るとも、牛後と為ること無かれ。」かくして、南北六国同盟成立す。
 さあ、鶏口牛後のこの話、漢文の授業ででてきます。小さいものの長となって重んじられる方が、大きな集団や組織の末端にいるよりよい、という意味ですが、これについて私は、どちらがいいかはその人次第であると言います。小企業は不況に弱くすぐに倒産してしまうかもしれません。他方、大企業は不況も動じず生き残るかもしれません。

 しかし、この秦が六カ国同盟を次次と打ち倒し、紀元前221年始皇帝が秦を統一した後、わずか15年で滅んだようなことは現実に起ります。アメリカでの2001年エンロン事件、2008年リーマンショックなどです。
 かたやビル・ゲイツのように、ハーバード大学を休学し、高校時代の友人とマイクロソフト社を創業し、それを世界トップ企業に成長させるような人もいます。すなわち、鶏口であろうと、牛後であろうとかかることに念を投じる必要なし。何事もその人の能力次第なのです。

―では、そのために、いかに才能を開花させるか。

 子供/生徒の行動に細かく注意しすぎると、子供/生徒は、やる気をなくしてしまいます。他方、放任をしてしまえば、結局才能の開花はありません。
 まさに、子のぼく牽長し、です。昔、一日に千里を走る馬がいました、ある日、その馬を走らせてみたところ、千里を走ることができませんでした。その訳を御者に問うと、彼は、「子のぼく牽長し」。―「あなたの手綱が長すぎるからです。」と答えました。
 たとえ才能ある馬でも、手綱が長すぎれば、その能力を発揮できず、早く走れません。短すぎても然りです。手綱は長すぎず短すぎず、適切な長さとしなくてはなりません。
 教育においても同様です。それぞれの個性を持った子供/生徒に応じた指導を行う、その見極めと適切な対応がその子供/生徒の才能を開花させることとなります。

―停滞・失敗は必ずある。それを知った上で長期的戦略をたて、目標を成し遂げる。

 受験生は模試を受けます。頑張って日々勉強し、夏頃の模試では合格率60%をとった。現役で今の時期でこの成績ならいける!先生にもそう言われ自信をつけ、第一志望に行こうと思う。ところが、秋あたりから下がり出したりする。また、いくら勉強しても上がらない。このようなことは現実によくあります。受験勉強を一年の頃から始めている人の場合は、一年のうちは成績がよかったのに、その後上がらない、逆に上の学年になるにつれて順位が下がってきた、などです。
 もちろん原因はあります。試験というものは相対的判断。自分はこれだけしたのに、という主観的評価では客観的に上位には上がれません。はじめに成果が出たことで、自分はあの時の、あの調子で続ければいいのだと思ってしまいがちです。しかし、それではいけないのです。

   狐、其の尾を濡す。

「狐は川を渡るが、尾を濡らすと途中で体が動かなくなってしまう。そして、子狐が川を渡ろうとすると、あと少しというところで尾を濡らしてしまい、渡り切らずに命を失ってしまう」、と易経に記されています。
 はじめはうまくいっても、最後まで成し遂げるということは難しいということです。特にまだ子供、知識・経験の未熟な者に、ではいかに成し遂げるかということは分からず、挫折につながってしまうことがあります。
 人生に、勉強過程に、停滞・失敗は必ずあります。その原因・対策を考え、長期的戦略を練り、自分にふさわしい学校に合格、また就職を決めましょう。

2013年3月20日 17時59分02秒 (Wed)

どうしたら国語ができるようになるか



 国語ができない、そうしたらできるようになるかという相談は多いです。この解決として、やはり、国語ができないのなら国語を真剣に勉強しなくてはいけないということです。日本人だから日本で生活していたらできるようになるというわけではありません。読解力のない大人は沢山いるのです。
 よく多読をしなくてはいけないといいます。その通りです。文章を読むことなしに読解ができるようにはなりません。同時に、読書はしていますが読解はできませんという子がいます。これは、読む本の内容が関係してきます。レベルの低い本ばかり読んでいたのでは、読解力の向上にはつながりません。他方、高すぎても、結局自分のものとはならず、ただ読んだだけで終わってしまいます。また、こうすれば何何ができるようになるというHow-TOもののようなただ情報取得を目的とした本は、概して国語の読解力の向上にはつながりません。自分はどのレベルでできないのか、そのためにどのような本をどのように読んだらいいかということを知らなくてはいけません。
 生徒に授業をしている時、私はところどころで「これはどういう意味かな」と聞きますが、内容が分からないという子が多いです。これはまず、言葉の意味が理解できていないということにあります。文章を読む過程で語彙量を増やしていかなくてはなりません。何でも「この意味は何ですか」、と聞く子がいますが、まずは考えることが大切です。漢字はそれぞれ意味を持っているのですから、その意味から熟語の意味を想定します。この方法がわからない子にはその方法を指導します。何でもただ答えを教えてもらい、それを暗記するだけでは考える能力、真の力はつきません。考えながら学ぶことが大切です。
 次に、読解においては、常にイメージをしましょう。舞台、場所は、季節は、時間は、登場人物、どういう人が、何人かなど。筆者が言いたいこと、この文章で訴えているのものは何か、そのためにどういう例を示したか、何と比較し、何と同じで何と違うと言っているか、どういう理由でか、などです。多くの子はこのイメージができません。ただ文字を前から順番に読むことで終わってしまうのです。簡単なようでこれはなかなか一人ではできないものです。イメージといっても一人で行うと自己満足に終わったり、また自分の先入観が偏ったイメージを作ってしまったりします。先生から、なぜそのイメージを作ったのか、間違いはないか、こういう考えもできるのではないか、と問われ、偏見のないイメージを作るための問いかけとその生徒の応答により正しい思考能力形成を図ることができます。