2013年6月 アーカイブ
2013年6月24日 23時02分01秒 (Mon)
えんの松原
引き続き、伊藤遊さんの「えんの松原」読みました。少年時代の冷泉天皇(憲平)の話です。保昌の祖父の怨霊に取り憑かれたという人です。内容も、その部分でした。
主人公は、オリジナルキャラクターの音羽丸です。音羽丸は諸事情により女童として内裏で働くことになり(名前も、音羽とする)、ひょんなことから憲平と友達になる。憲平が元方の怨霊に悩まされていると知った音羽は、なんとかしようとするが――実は、怨霊の正体は元方ではないことが判明します。では誰なのか。どうすれば憲平は助かるのか。謎を解く鍵は、大内裏にある不気味な松林「えんの松原」。本当は「宴の松原」と書くのですが、「怨の松原」という意味もこめて、「えんの松原」となっています。
怨霊の正体が・・・すごいです。音羽が女として生活しているという設定が、こんなところで生かされています。
あの色好みで有名な平中こと平貞文さんも出てきます。ちょこっとだけ。もっと後々、話に関わってくるのかと思ったらそうでなくて残念。
「鬼の橋」もそうでしたが、登場人物の一人一人が個性的で面白いです。
主人公は、オリジナルキャラクターの音羽丸です。音羽丸は諸事情により女童として内裏で働くことになり(名前も、音羽とする)、ひょんなことから憲平と友達になる。憲平が元方の怨霊に悩まされていると知った音羽は、なんとかしようとするが――実は、怨霊の正体は元方ではないことが判明します。では誰なのか。どうすれば憲平は助かるのか。謎を解く鍵は、大内裏にある不気味な松林「えんの松原」。本当は「宴の松原」と書くのですが、「怨の松原」という意味もこめて、「えんの松原」となっています。
怨霊の正体が・・・すごいです。音羽が女として生活しているという設定が、こんなところで生かされています。
あの色好みで有名な平中こと平貞文さんも出てきます。ちょこっとだけ。もっと後々、話に関わってくるのかと思ったらそうでなくて残念。
「鬼の橋」もそうでしたが、登場人物の一人一人が個性的で面白いです。
2013年6月19日 18時25分04秒 (Wed)
鬼の橋
伊藤遊さんの「鬼の橋」読みました。題名に惹かれてパラパラ見てみると、篁さんの話だったので。
内容の紹介の前に一言、面白かった! 児童書なので、どうかなーと思っていたのですが、大当たりでした。文章も、けっこう本格的に平安時代。フリガナはたくさん振ってあるけど、使っている言葉が・・・「追儺」とか「除目」とか「加冠の儀」とか説明なしで、小学生は分かるのだろうかと思ってしまいました。(小学校上級以上向け、とありました)
大好きな妹、比右子を間接的に殺してしまった篁。(比右子に無理やり隠れんぼをさせ、隠れる途中で比右子は井戸に落ちてしまう) 亡き父の作った五条橋を守ろうとする少女、阿子那。片方の角を折られ、冥界から人間の世に来てしまった鬼、非天丸。
阿子那は、橋を守ってくれた非天丸を父親のように慕い、非天丸は阿子那と触れ合うことで人間らしくなっていく。篁は、彼ら二人との関わり、また比右子が落ちた井戸と繋がる冥界への旅を通して、比右子の死を乗り越え成長していく・・・というような話です。非天丸と阿子那、鬼と人間ということで色々と不都合もあるけど、お互いがお互いを思いやる、その気持ちに感動させられます。少年篁の、素直じゃない複雑な心情の描写も細やか。
あと、坂上田村麻呂さんも出てきます。冥界にて。田村麻呂、死んだのちも都を守るようにと立ったまま埋葬されたそうです。知りませんでした・・・。
第三回児童文学ファンタジー大賞受賞作。
内容の紹介の前に一言、面白かった! 児童書なので、どうかなーと思っていたのですが、大当たりでした。文章も、けっこう本格的に平安時代。フリガナはたくさん振ってあるけど、使っている言葉が・・・「追儺」とか「除目」とか「加冠の儀」とか説明なしで、小学生は分かるのだろうかと思ってしまいました。(小学校上級以上向け、とありました)
大好きな妹、比右子を間接的に殺してしまった篁。(比右子に無理やり隠れんぼをさせ、隠れる途中で比右子は井戸に落ちてしまう) 亡き父の作った五条橋を守ろうとする少女、阿子那。片方の角を折られ、冥界から人間の世に来てしまった鬼、非天丸。
阿子那は、橋を守ってくれた非天丸を父親のように慕い、非天丸は阿子那と触れ合うことで人間らしくなっていく。篁は、彼ら二人との関わり、また比右子が落ちた井戸と繋がる冥界への旅を通して、比右子の死を乗り越え成長していく・・・というような話です。非天丸と阿子那、鬼と人間ということで色々と不都合もあるけど、お互いがお互いを思いやる、その気持ちに感動させられます。少年篁の、素直じゃない複雑な心情の描写も細やか。
あと、坂上田村麻呂さんも出てきます。冥界にて。田村麻呂、死んだのちも都を守るようにと立ったまま埋葬されたそうです。知りませんでした・・・。
第三回児童文学ファンタジー大賞受賞作。
2013年6月12日 21時39分04秒 (Wed)
道長の冒険 ―平安妖異伝―
平岩弓枝さんの「道長の冒険 ―平安妖異伝―」読みました。「平安妖異伝」の二巻です。「平安妖異伝 弍」とかで良かったのではと思いましたが、内容がほんとに「道長の冒険」でした。
一巻は連作短編で、藤原道長と、不思議な力を持つ楽師、真比呂が妖魔による事件を解決していくという内容でしたが、「道長の冒険」は長編でした。邪神のせいで都に異変が起こり、真比呂も根の国に閉じ込められてしまう。それを道長が助けに行く、というものですが・・・道長、何もしてない・・・orz 真比呂を助けに行く途中で、様々な妖魔が道長に襲いかかってくるのですが、だいたい神様的なものの力で助かります。なんかもう、神様が世界救えばいいのにとか言ってしまえば、御伽草子の酒呑童子もそうですが・・・。
それに道長である必要性がほとんどない。この小説は、真比呂が音楽の申し子であることもあり、「音楽」が大きなキーワードとなっているのですが、それなら道長よりもっと音楽に優れた貴族がいたのではと思います。オリジナルキャラか・・・。道長、正義漢すぎて違和感があるし。谷恒生さんの「陰陽宮 阿倍晴明」もそうでしたが、道長ってそんなに、自分の命をかけて人々を救うぞ!みたいなイメージがあるんでしょうか・・・? 私は永井路子さんの「この世をば」の道長が一番しっくりきます。
不思議な国を旅することもあり、平安時代感もあまりありませんでした。羊の顔をした夫婦! 道長を襲う雪だるまの群れ! 羽の生えた馬! そのファンタジー感と「道長」というリアルな歴史上の人物が何か合っていないような。
でも最後は、どうなるのかと気になる部分もありました。
一巻は連作短編で、藤原道長と、不思議な力を持つ楽師、真比呂が妖魔による事件を解決していくという内容でしたが、「道長の冒険」は長編でした。邪神のせいで都に異変が起こり、真比呂も根の国に閉じ込められてしまう。それを道長が助けに行く、というものですが・・・道長、何もしてない・・・orz 真比呂を助けに行く途中で、様々な妖魔が道長に襲いかかってくるのですが、だいたい神様的なものの力で助かります。なんかもう、神様が世界救えばいいのにとか言ってしまえば、御伽草子の酒呑童子もそうですが・・・。
それに道長である必要性がほとんどない。この小説は、真比呂が音楽の申し子であることもあり、「音楽」が大きなキーワードとなっているのですが、それなら道長よりもっと音楽に優れた貴族がいたのではと思います。オリジナルキャラか・・・。道長、正義漢すぎて違和感があるし。谷恒生さんの「陰陽宮 阿倍晴明」もそうでしたが、道長ってそんなに、自分の命をかけて人々を救うぞ!みたいなイメージがあるんでしょうか・・・? 私は永井路子さんの「この世をば」の道長が一番しっくりきます。
不思議な国を旅することもあり、平安時代感もあまりありませんでした。羊の顔をした夫婦! 道長を襲う雪だるまの群れ! 羽の生えた馬! そのファンタジー感と「道長」というリアルな歴史上の人物が何か合っていないような。
でも最後は、どうなるのかと気になる部分もありました。
2013年6月8日 22時23分31秒 (Sat)
庶民たちの平安京
繁田信一さんの「庶民たちの平安京」読みました。小説ではなく、平安京に住む庶民たちについての論文です。平安京の貴族について書かれたものは多いですが、庶民について、というのは珍しいですよね。それで気になって本屋でパラパラやっていると、なんと頼親の名前が・・・! 買いました。
平安京に住んでいる庶民の大半は、貴族の従者だったそうです。従者が犯罪を犯したら、その主家である貴族が彼らを庇う(検非違使は、主家の承諾なしには犯人を逮捕できなかった)、検非違使に突き出さなければならなくなっても、すぐに釈放してもらえるよう働きかけるということがあったそうなのですが・・・頼親のとある牛飼童は、頼親の承諾もなしに逮捕され、その後、頼親からの救いの手もなかったということがあったそうです。その牛飼童の妻が、夫を釈放してもらえるよう検非違使庁に出した手紙が残っているだけなので詳しいことは分からないそうですが。
頼親の部分はそんな感じですが、他にも興味深いことがたくさん書かれていました。獄舎の劣悪な環境、ちょっと特別な存在である牛飼童、天皇の前にもかかわらず内裏の庭を駆け回る庶民たち、平安京の庶民の家などなど。牛飼童、詳しく調べれば小説の主人公にもできそうなくらい面白い・・・。
論文といっても難しいことはなく、繁田信一さんの他の著書も読んでみたいなと思いました。買ってよかったです(^^♪
平安京に住んでいる庶民の大半は、貴族の従者だったそうです。従者が犯罪を犯したら、その主家である貴族が彼らを庇う(検非違使は、主家の承諾なしには犯人を逮捕できなかった)、検非違使に突き出さなければならなくなっても、すぐに釈放してもらえるよう働きかけるということがあったそうなのですが・・・頼親のとある牛飼童は、頼親の承諾もなしに逮捕され、その後、頼親からの救いの手もなかったということがあったそうです。その牛飼童の妻が、夫を釈放してもらえるよう検非違使庁に出した手紙が残っているだけなので詳しいことは分からないそうですが。
頼親の部分はそんな感じですが、他にも興味深いことがたくさん書かれていました。獄舎の劣悪な環境、ちょっと特別な存在である牛飼童、天皇の前にもかかわらず内裏の庭を駆け回る庶民たち、平安京の庶民の家などなど。牛飼童、詳しく調べれば小説の主人公にもできそうなくらい面白い・・・。
論文といっても難しいことはなく、繁田信一さんの他の著書も読んでみたいなと思いました。買ってよかったです(^^♪
プロフィール
- ☆
- 雨傘蝙蝠と申します。そのまま、あまがさこうもりと読んでください。
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