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2013年7月 アーカイブ

2013年7月26日 19時06分26秒 (Fri)

望月のあと

森谷明子さんの「望月のあと」読みました。題名からして道長!と思ったらやっぱり道長。
紫式部が、道長が謎の姫君をかくまっているという噂を聞き、その姫について調べながら、それをもとに源氏物語の玉鬘を書くという話です。源氏物語は姫たちの本名が一切出てきませんが、玉鬘だけは「瑠璃」とでていたという事実に驚きました。でも、なんやかんや調べてみて、「瑠璃のように珍しい姫」という意味で呼ばれただけではないのかとも思いましたが・・・それは置いといて、道長がかくまっている姫君の名前が「瑠璃」となっています。彼女は道長の異母妹綏子の子どもなのですが、妹に恋していた道長は、綏子が死んだあと、娘の瑠璃を我が物にしようと考え・・・。そんな道長をモデルに、源氏物語の玉鬘を書くことによって、紫式部は権力者道長へとある反抗をします。
瑠璃姫の話がひと段落したあとは、望月が欠けることを示すような貧困に苦しむ庶民たちの話に変わります。貴族の家に仕える糸丸と、その日生きていくのに精一杯の秋津がひょんなことから仲良くなり、都で頻発する放火事件に巻き込まれていく。最後は、瑠璃姫たちも関わってきます。
頼光と保昌もでました。保昌は道長の有能な家司と書かれているんですが、頼光・・・。いやーな役でした。
読んでから気づいたのですが、この小説、シリーズものだったようです。これ一冊でも内容は分かるんですが、この前に、二作あるらしいです。読みたい・・・。面白かったです。

2013年7月21日 17時48分29秒 (Sun)

小袖日記

柴田よしきさんの「小袖日記」読みました。現代に生きる女性が、平安時代にタイムスリップするお話。・・・と思いきや、タイムスリップとは少し違うみたいでした。単純に過去にいったわけではなく、平安時代に酷似した別の世界という設定。それも、本人そのものがそのままタイムスリップしたわけではなく、意識だけ。「小袖」と呼ばれる女房と中身が入れ替わってしまいます。しかも、「小袖」は紫式部こと香子に源氏物語のネタを提供する役をやっており・・・中身は現代人の主人公がネタ集めをするうちに、様々な悩みを抱えた平安時代の女性と出会うという話です。その女性たちがそれぞれ、源氏物語に出てくる、夕顔や末摘花、明石たちのモデルとなっていきます。
主人公目線の一人称で、すごく軽いノリで書かれています。読みやすいですが、作者さんは平安時代のことも源氏物語のことも特に研究はされてないんだろうなという印象を受けました。主人公が、平安時代にも源氏物語にも詳しくない設定なので、それでも問題ないですが。それから、男性に対する偏見がすごい・・・(^^; 柴田「よしき」さんですが、たぶん、いや絶対女性ですね。共感できる人はできるのかもしれませんが、男性が読んだら不快に思うんじゃないかな・・・。
タイムスリップネタは、一見書きやすそうですが、実際、真面目に書こうとすると難しいですよね。とくに平安時代なんか、言葉も通じないだろうし。その点、「小袖日記」はちゃんと、肉体は平安人の小袖なので、脳に残っている小袖の部分のおかげで、言葉も分かるし、和歌も読めるという設定にしてありました。

2013年7月17日 22時26分33秒 (Wed)

祇園祭

十五日、祇園祭に行ってきました。DM様とリアルでお会いして、山鉾いろいろ案内してもらいました(^^♪
一番見たかったのは、もちろん保昌山! 保昌が泉式部のために梅の花をとってきて、恋を成就させたという伝説から、縁結びのお守りが売られています。保昌の弟や兄は盗賊ですが、彼自身は、盗賊は盗賊でも花盗人なんですよね。保昌山だけ、ほかの山鉾から離れたところにあるのも、なんか保昌らしい・・・あの仲間はずれ感が。
他にも、八幡山や芦刈山、橋弁慶山など源氏や今昔物語に関係のあるところに行き・・・というか、DM様に連れていってもらい、祇園祭を満喫しました。DM様がいなかったら、確実に回れてなかった(^^; 蟷螂山も可愛かったし・・。
頼光たちの話はもちろん、お菓子の話や、私の就活の話なんかにも付きあっていただいて、久々に楽しい充実した一日を送りました。初めて会ったとは思えないくらい話しやすい方でした(´∀`*) 私、人見知りなんですがすごく自然にお話できて、不思議なくらいでした・・・。 
おまけに、シュークリームをいなり寿司に見立てたお弁当みたいなお菓子もいただいてしまいました。見て楽しい、食べて美味しかった♪ 
DM様、本当に感謝です。


2013年7月17日 18時25分05秒 (Wed)

千すじの黒髪 我が愛の与謝野晶子

田辺聖子さんの「千すじの黒髪 我が愛の与謝野晶子」読みました。田辺聖子全集で、鬼の女房と共にはいっていたので。
与謝野晶子と鉄幹の恋愛。伝記ではなく、『晶子たちへのラブレター』だそうです。田辺先生は、研究者として与謝野晶子らを書いたのではなく、愛好者として書いた、と。
鉄幹は妻の親のお金をあてにしてるくせに、浮気者で、それを詩人だから良いんだとか言っちゃう。事実だけ見たら、相当嫌な人だけど、田辺先生は彼の愛好者として、この小説を書かれているので、なんか憎めないキャラになっていました。
田辺先生は、与謝野晶子の研究本をたくさん読み、実際、そのゆかりの地へも行かれているようなのに、研究者ではなく、愛好者として、彼らの物語を書きたいと思われたんですね・・。
本編の内容もさることながら、あとがきに感動しました。

2013年7月10日 15時31分51秒 (Wed)

鬼の女房

田辺聖子さんの「鬼の女房」読みました。田辺聖子さんの王朝もの・・・! 新源氏物語や私本源氏物語、今昔まんだら、古典まんだら、田辺聖子の今昔物語、おちくぼ姫、王朝懶夢譚・・・だいたい読んだと思っていましたが、全集の中にありました。
「鬼の女房」の中に、いくつかの短編がはいっているといったもの。ぜ~んぶ、鬼の話です。
まずは表題作「鬼の女房」。橘則光と清少納言の話でした。無風流な則光と才女、清少納言が、ケンカしながらも(風流を解さない則光を、清少納言が馬鹿にしたり・・・)、なんやかんやで仲が良い恋人として描かれていました。でもまぁ最後は・・・(^^; 則光が三人の盗賊を殺した話や、柱から出てきて、おいでおいでをする子どもの手の話など、今昔物語ネタが上手くアレンジされています。

「鬼の語らい」。初っ端から「宴の松原」の鬼について書かれていました。その後もいくつか今昔物語などの鬼の話を紹介し、次も実際に残っている説話の紹介とみせかけて、アレンジを加えた小説が始まります。家に帰る途中、謎の美女から誰々へ渡して欲しいと箱を渡された遠助。絶対あけてはいけないと言われていたのに、何も知らない妻が、その箱を他の女へのプレゼントだと勘違いし、嫉妬してあけてしまう。謎の美女は実は鬼で、約束を破った遠助は、命を狙われるが・・・。鬼の怖さ以上に、女の人の嫉妬の怖さを思い知らされるお話です。

「水にとける鬼」。これも初めは説話の紹介。その説話に対する田辺先生の推測が書いてあるのも面白いです。しかも本題は、篁の話! 篁と妹の恋の話です。この話、夢枕獏さんのアレンジでも読んだことがありますが、原作(『篁物語』)を読んだことがないので、一体、どこからどこまでがアレンジなのか・・・。とにかく、悲恋です。

「樹の上の鬼」。これは、小説ではなく、鬼の出てくる説話の紹介とその解説、推測。今昔物語で老婆が鬼になって息子を襲った話がありますが、それは、老いて、息子たちに関心を持たれなくなった母の漠然とした憎しみと愛着が彼女を鬼にしたのではないか、とのことです。息子は決して親不孝者ではなく、母親の世話をするのですが、それは別の次元のことで、息子の世界から母親の姿はすでに消えている。母親もそれを感じている。それで鬼になったのだ、と。勉強になります・・・。メインは、『隠れ蓑草子』の紹介と解説ですが。

「鬼の歌よみ」。これも鬼の出てくる説話の紹介と解説。京極殿で「こぼれてにほうやまざくらかな」と古歌を歌う正体不明の声がするという話が今昔物語に載っていますが、田辺先生にかかれば、この鬼は文学大好きで、自分も何か和歌を作りたいけど、作れず、「こぼれてにほうやまざくらかな」と唱えている、と。なんか可愛いですね(^^♪ メインは、長谷夫と双六をした鬼の話です。

「恋やつれの鬼」。最後は、女が嫉妬で鬼になる話は多いけど、じゃあ男は・・・というのがテーマです。良房の娘、明子に恋した貴い上人の話。明子は天皇の妻なので、上人の恋が叶うはずはありません。ならば、鬼になって想いを遂げようと・・・上人は鬼になってしまいます。鬼になった上人が現れると、明子が取り憑かれたように上人を迎え入れるのも怖い話です・・・。今昔物語には淡々と書かれてありますが、こうやって細かい心情描写や解説つきで読むと、妙に現実味が・・・。

以上、「鬼の女房」でした。鬼好き、昔話好きの方にはおすすめです(^^♪

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雨傘蝙蝠と申します。そのまま、あまがさこうもりと読んでください。

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