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2013年9月 アーカイブ

2013年9月30日 21時00分58秒 (Mon)

平成講釈 安倍晴明伝

夢枕獏さんの「平成講釈 安倍晴明伝」読みました。
明治・大正時代の速記本(舞台や高座で演じられた講談、落語などの内容をそのまま文章にして本にしたもの)を元ネタにして、獏先生が、安倍晴明伝を講釈してくれます。アレンジありの新しい安倍晴明伝。晴明の先祖、阿倍仲麻呂(史実では違うらしいですが、物語の中での設定)の話から始まります。
ほんとに落語でも聞いてるみたいに(あんまり聞いたことないですが)、リズムがよくて読みやすいです。話が始まるごとに「この原稿トルコで書いてる~」など、雑談が入るのも面白かったです。やっぱり、獏先生好きだなぁ・・・小説はもちろんですが、本人も。原稿、手で書いてはるんやったけ・・・?

経基(頼光の祖父)&満仲(頼光の父)と、元方(保昌の祖父)出てきます。前者二人はいい役(少年満仲様かっこよかった・・・!)、元方は悪役です。蘆屋道満と組んで、晴明と敵対します。
んで保輔!! 袴垂保輔の存在がちょろっと出てきたところで終わってしまった! 次回から袴垂、酒呑童子も出るよ~って・・・二巻出てない! 十年以上前の本ですが・・・続き、また書くって書いてあるんですが・・・調べてみても出てないっぽいんですよね。
読みたい! 超読みたい! 出ないのかな・・・?


2013年9月16日 16時38分52秒 (Mon)

劇場版 鬼神伝

原作に納得がいかなすぎて、見てしまいました。


良かった!! 頼光様的な意味で!
ストーリーも単純でわかりやすかったです。ありきたりではありましたが、子ども向けなら、そうするしかないよねというような・・・。鬼は、都造営のために追い出された先住民のことでした。
何はともあれ、頼光が原作通りにならなくて良かった! 四天王も! 綱たちの「鬼と戦う理由」、嬉しすぎました。(頼光が戦うから。鬼が頼光の敵でなかったら、戦う理由はない)
戦闘シーンもかっこよかったです。動きとか表情が細かくて・・・この作品、作画の点で大きく評価されているようです。 
ラスト、頼光と四天王のシーンで泣いてしまいました。原作でダメージを受けたぶん、安堵と、このシーンを考えてくれた人への感謝が大きすぎて・・・。主人公の純も、原作みたいに嫌な子じゃなかったです。自然でした。
頼光たちのことを知らない小中学生時代に見たら、どう思ったか分かりませんが、今はとにかく、見てよかったです。心の傷が癒えた!

2013年9月13日 22時06分42秒 (Fri)

鬼神伝 鬼の巻 神の巻

高田崇史さんの「鬼神伝 鬼の巻」と「鬼神伝 神の巻」一気に読みました。児童書です。
普通の中学生、天童純がある日突然、平安時代にタイムスリップ。オロチを操って鬼退治をしろとか言われます。鬼退治しますが、鬼はなんで人に悪さするのかと疑問をもち、鬼の少女、水葉に近づいて、鬼の住処に潜入。そこで、悪いのは鬼じゃなくて、人なのでは・・・と。
読んだ感想は、はっきり言って最悪でした。このイライラをどこかにぶつけたくてしょうがない・・ので、すみません。以下、ちょっとアレです。


頼光様ぁあああああああぁあああぁっ! かっこいい頼光きたと思ったのに、なんで・・・!? どーせ頼光じゃなくなるなら、もとからオリキャラにしてくれたらいいのに! 綱たちまで出して!
主人公が嫌いすぎる。ここまで嫌な主人公も珍しい。「鬼は悪さをするから、退治する」という人間の言葉には、「何故、鬼は悪さするんだろう」という疑問を持つのに、鬼から「人から戦いをしかけてきた」って言われたら、あっさり信じた。鬼側に寝返るも、人を殺すのも嫌とかで、戦わないで解決する方法は~とか言う。そのわりに、物語の最初で、人の首が飛ぶシーンがあっても別に普通にしてた。え、普通の中学生として生きてきてたんですよね?
鬼側に寝返ったときに、仲良くなった頼光たちに罪悪感を感じないのもすごい。というか、頼光たちは信頼してくれてるのに、「鬼はホントに悪いのか」とか疑問を持ちながら、でも、鬼が人を殺すのも許せないみたいなはっきりしない考えで、ものすごい力をもったオロチを操るものすごい。
んで、頼光たちが帝釈天らにされたら、全力で殺しにかかる。頼光たちと刃を交えたくないというのは一文だけでてくるも、その後、鬼たちを見捨てることもできない。そう考えた直後に、元の世界に戻りたいって、言うのはどうかと・・・。そりゃ、帰りたいと思いますが・・・。じゃあもう、全部見捨てて、自分は安全なところに逃げたいですって言えばいいのに、その後もなんやかんやで、正義ヅラして戦いだすし。んで、綱たちと戦うことになって、初めに、ちょろっと「綱、僕が分からないのか」的なことを言うも、その後は、何のためらいもなく殺しにかかる。葛藤ゼロ。まず、頼光たちがそんなことになったと聞いたとき、悲しみも、そうした奴らに対する怒りも感じてなかった。怖いわー。
まず、この作品の鬼の定義が分からない。スサノオやアマテラスも鬼で、一般庶民も鬼。人なのは、ごく一部の貴族だけだそーですが、まぁ神は、鬼神ともいうから鬼と紙一重っていうのは分かるけど・・・。一般庶民・・・? 朝廷にさからう民、まつろわぬ民が「鬼」とされるのは分かるけど、普通に従ってる庶民は「鬼」じゃないと私は思います。一般庶民も鬼、つまり全人口のほとんどが鬼、つまり我々は節分の日に、自分たちの先祖に向かって豆をぶつけてるんだ!って言われても・・・。一般庶民が鬼と呼ばれる理由がわからん。「鬼」はもともと「隠(おん)」。正体不明のものを意味しているとするならば、山の中や、朝廷の目の行き届かないところにいるまつろわぬ民は、朝廷から見たら正体不明。それに、従わないものを「鬼」とすることで殺すことを正当化したというのも頷ける。
んで、アマテラスが鬼だとすると、「人」である貴族のトップ、天皇は・・・? 天皇って神の子孫・・・古事記などの神話って、天皇を神の子孫とするために書かれた・・・この小説では、アマテラスもスサノオも実在したことになっており、スサノオなんかは実際に人と戦いだすんですが、彼らは天皇のために作られた存在では・・・? なんか、わけわからん。


私が頼光たちのことを特に好きでなかったとしたら、こんなに嫌な小説だと思うことはなかったんですが(^^; 頼光のことも、鬼のことも、何もしらない小学生時代に読んでいたら、楽しかったのかもしれません・・。

2013年9月11日 22時46分15秒 (Wed)

とんび

重松清さんの「とんび」読みました。昔から好きな作家様♪
いつもの岡山弁かと思いきや、広島でした。ヤスさんという男の人の半生を通して、親と子の絆を描いた作品です。ヤスさん、もうすぐ子どもが生まれるということで、幸せいっぱいな場面から始まります。でも、あらすじで、「待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛み締める日々。しかしその団欒は、突然の悲劇によって奪われてしまう」とあるので・・・幸せそうな場面を読むのが辛かったです。悲劇が起こってからが、小説のメインなんですが。
ヤスさんは、息子、アキラと二人だけの家族になってしまいますが、幼なじみや、地元の仲間たちに支えられて、アキラを育て・・・。小説は一冊ですが、中には、ヤスさんの、親になってからお祖父ちゃんになるまで、アキラの、生まれてから親になるまでが詰まっています。
とんびがたかを生む。ヤスさんがまさに、「とんび」なんですね。不器用で、照れ屋で、怒ったら手もでるし、できた人間ではないですw 
素直じゃないヤスさんと、重松清さんの優しい文章が合ってたなぁ・・・。若造には書けませんね。
重松さんの小説は、文章で読まなきゃだめだろうとドラマは見なかったんですが、もう読んだし、また機会があれば見てみようかな・・。

2013年9月8日 22時49分41秒 (Sun)

平の将門

吉川英治の「平の将門」読みました。将門の少年時代から、没するまで。
以前、海音寺潮五郎の「平将門」を読んだことがあるのですが、それと同様、純友とは繋がっている設定でした。潮五郎さんのより、だいぶ短いんですが。
とりあえず、どの本でも将門は悪くない。なんでこう、うまくいかないのかなぁと思ってしまいます。なんか、そういう運命だとしか言いようがないような。野心を持っていようと持っていなかろうと関係なく。
この作品では、桔梗(妻)の存在が大きかったですね。将門が最後まで彼女の死を引きずっているのが、切なかったです。歴史上の偉人の中には、ほんまに同じ人間なんかって人もいるけど、将門は人間だなぁと思います。
ラストは、史実通り、あっけないです。ほんとにあっけないです。
純友や、純友と将門を結びつけた「八坂の不死人(ふじと)」のその後も、最後に触れているのですが、シメの言葉がすごく好きです。
『世を弄ぶつもりの彼や純友一味の輩も、結局は、時代の風に、片々の影を描いては消え去る落ち葉の紛々と、何ら異なるものではなかった』
世の無常・・・。


それにしても、谷恒星さんの「陰陽宮 安倍晴明」はすごくこの小説の影響を受けているような・・・。
ついでに、吉川英治の「袴だれ保輔」、おすすめです。

プロフィール

雨傘蝙蝠と申します。そのまま、あまがさこうもりと読んでください。

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