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鉄道員(ぽっぽや)

2013年12月8日 17時58分21秒 (Sun)

浅田次郎さんの「鉄道員」読みました。ぽっぽやと読みます。十年以上前ですが、直木賞受賞作! 映画化もされたらしいですね。
表題作の「鉄道員」をはじめ、8つの物語が入ってます。
「鉄道員」は、北海道の廃線になる鉄道の駅長さんの話。この駅長、乙松さんは、廃線と同時に定年を迎えます。長い間、ポッポヤとして、どんなに辛いときでも――娘をなくしたときでも、笛を吹き、旗を振り、喚呼してきた乙松さん。そんな彼に、ある寒い冬の日、優しい奇跡が起きます。
大まかなストーリーの流れとしては、珍しいものではないんですが、細かい部分の演出で泣いてしまいます・・・。自分の仕事に誇りをもっている人はかっこいいですね。ありえないことが起こるのに嘘くさくなくて、北海道のローカル線が廃線になったことは事実みたいですし、なんかこういう人もいたんじゃないかなぁと思ってしまいました。
ちょうど今くらいの季節にぴったりの、寒いのに温かくなれる小説です。

個人的に一番好きなのは、「ラブ・レター」。恋愛ものです。
恋愛ものにもいろいろありますよね。年齢差、身分差があったり、相手が実は人間じゃなかったり、幽霊だったり、僕は妹に恋したり、俺の妹がこんなに可愛いわけがなかったり・・・。
でも、こんな恋愛もののパターンは初めてみました。顔の知らない相手と結婚することは、まぁ時代ものならよくありますよね。・・・この「ラブ・レター」、結婚してからも知らないんです。現代の話です。
というのは、結婚したといっても戸籍上の話で・・・主人公は、知り合いのやくざに頼まれて、出稼ぎの中国人女性に戸籍を貸したんです。もちろん、お互い顔も知りません。主人公は、結婚したかわりにお金をもらい、一度も彼女と会うことなく、裏の仕事をしながら生きてました。
だから、突然、お前のかみさんが死んだぞといわれても、そんなのいたっけ、ああそういえば、くらいの感じです。でも一応、戸籍上は夫だから、死体を引き取ったり葬式やらのこともあるわけで・・・。話はそんなところから始まります。
会ったこともない、関心すらなかった妻からの「ラブ・レター」。電車の中などでは読まないほうがいいかもですね・・・w

他5編、「悪魔」「角筈にて」「伽羅」「うらぼんえ」「ろくでなしのサンタ」「オリオン座からの招待状」。「悪魔」と「伽羅」はちょっとホラーですが、あとは、温かくて切ないお話です。
どの話の主人公も、職業、出身地など違うのに、それぞれその業界のことを詳しく書けるのがすごいです・・・。鉄道員、営業マン、裏社会のこと・・・毎回、調べて書かれるんでしょうか。方言も、ちょっと調べたくらいじゃ、登場人物にしゃべらせるのは難しいですよね。
こういう作家さん、ほんとに尊敬します・・・。







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