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地理専門書

地理専門書


人間の営みがわかる地理学入門』 
2016  ベレ出版  著者 水野一晴
世界観の形成 1  実践への影響 2
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書評
中学校の地理の授業では、様々な農作物や農業方法を扱います。本書では、その特色が、非常に分かりやすく、「筆者の体験をそこかしこに織り込んで」(第4頁)説明されています。例えば、コーヒーの箇所では、「アフリカの人々はコーヒー豆を生産していても、伝統的にコーヒーを飲む習慣のあるエチオピアなどを除けば、その豆でいれたコーヒーを飲むことは少ない。それらの豆はほとんど先進国に輸出され、現地のアフリカの人々は世界最大の食品会社N社のインスタントコーヒーを買って飲んでいる」(第29頁)などと、コーヒーから世界経済の現状に触れていたり、「水田は栄養分を含む水で浸されるので、ほかの作物のように連作障害(同じ作物を作っているとしだいに生産不良になっていく)を起こさないため、毎年同じ水田で耕作が可能」(第45貢)という稲作の特色に触れていたり、教科書には載っていないけれども、授業では補足として入れたり考えさせたい内容が満載です。また、本書では、「かつて鶴見良行著『バナナと日本人』という本がベストセラーになった」(第96頁)、「横山智著『納豆の起源』に詳しい」(第51頁)など、多くの書籍が所々に紹介されていて、さらに詳しく調べたいときに書籍の選定にも役立ちます。地理では、資料活用の技能に焦点を置いているため、教科書・資料集の活用がほとんどですが、本書は、特に農業を教える場合において(人種・宗教・環境問題などの記述もあります)、活用しています。


山岡の地理B教室PARTⅠ・PARTⅡ』 
2001  東進ブックス  著者 山岡信幸
世界観の形成 3  実践への影響 3
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書評
「この本では、講義の内容をまるごと読んでもらうことにしました」(Ⅰ第5頁)とある通り、地理的事象の事実だけではなく、理由や背景、意義などが、平易な説明で書かれています。例えば、鉱産資源については、「古期造山帯は石炭です。どうしてだろう?石炭は地下にうもれ、長いあいだに炭化したものです。…石炭は古いものの方が炭化がすすんで質が良くなるんです」(Ⅰ第213頁)や「石油は石炭と違って液体ですから採取が難しい。古期造山帯は、『古い』ので、断層などにより地層がズタズタで、石油が一カ所に集まらない。新期造山帯の、地層が上向きに褶曲している背斜部(右図参照)では、水より軽い石油が地下水の上に浮いた状態で集まっている。こういうところに油田ができやすいわけです」(Ⅰ第215頁)と説明しています。分布の違いを明確な理由とともに説明してくれる参考書は中々見つからなかったため、本書はとても役に立っています。また、授業づくりに最も役立っているのは、PARTⅡの農業に関する記述です。「あちこち歩き回りながら家畜を放牧するのが遊牧ということになります。じゃ、何で移動しなくちゃいけないの?それは、植物の育ちにくい土地だから、家畜のえさになる牧草を求めて動き回るわけです」(Ⅱ第19頁)という遊牧に関する説明や、混合農業については、「同じ土地に毎年同じものをつくっていると、土地の栄養分が減少して地力=土地が作物を育てる力が低下してしまう。これを連作障害といいます。三圃式農業を行うことによって連作障害を防ぐわけですね」(Ⅱ第27頁)と解説しています。また、酪農についても「1つは、冷涼・湿潤で肥沃度の低い地域。乳牛は暑さに弱い動物なんです」(Ⅱ第31頁)との説明があります。各農業がその地域で行われている理由を明瞭にかつ平易に説明してくれているので、授業で大いに活用できています。本書に出てくる様々な理由や背景、意義などを、生徒に資料と格闘させながら発見させていく。そのような授業構成を取る場合が多いです。


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