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*雨中天使

第1話 「旅立ち」
旅立ちの決意

あの天使様に会ってから、
早くて、もう10年。

私は今、15歳になる。

天使様に会ったのは5歳の時だった。

けど、
あの映像は今も、私の頭の中でぐるぐる回っている。

いままでずっと、
天使様のことばかり考えていた。

そして、10年の間大切にしまっておいた、

ハンカチと、白い羽3枚は、
私の小さなポシェットに大切にしまってある。

レースの傘は、不思議なことにしばらくすると、どこかへ消えてしまっていた。

サラ 「そろそろ、いこうか。」

ミロ 「チチー」

今日は、私にとっての節目の時だと思っている。
今から行く場所は、今まで世話になっていた、農家の家。

私は、ゆるやかな坂を下りて、
私の小さな家から15分ほど歩いたところにある、

畑つきの、小さい家に向かった。

ミロ 「チュ」

サラ 「・・・ミロ、今日からは、あの家のおいしいキャベツも、食べれないね。」

ミロ 「チュ・・・」


ミロは長い間、一緒にいる。

私が天使様に会った日、助けようとしていた一匹のリスだ。

最近は、言葉がわかるのか、
言葉に対していちいち反応してくれる。

人間じゃないけど、私の大好きな友達。
ミロという名前も、母からとった。

だから余計、かわいがりたくなってしまう。

サラ 「ほら、ついたよ、ミロ」

ミロ 「チチッ」


ミロは、私の方から降りて、ポシェットの中に入った。

農家の家のおばさんはネズミが苦手で、
ミロを見た時も倒れそうなくらいふらふらしながら悲鳴をあげていた。

以来、ミロには、農家の家に着いたらポシェットに入るという習慣が身についた。

家においてくればいいとか思うけど、
ミロとはずっと一緒にいたい。

サラ 「こんにちわ。」

エミル 「あら、サラちゃん、こんにちわぁ。」

サラ 「こんにちわ、エミルおばさん。」

シベル 「おお、サラちゃんか。」

サラ 「こんにちわ。シベルおじさん。」

エミル 「・・・そっか、もうこの時が来たのねェ・・・」

シベル 「・・・さびしくなるなあ。」

サラ 「・・・私もさびしいですけそ、もともとそういう約束でしたし。」

エミル 「・・・そうね。サラちゃん、もう15歳なのね。」

サラ 「・・・はい。」

シベル 「ミロさんから頼まれた時には、まだこんなにちっちゃかったのになあ・・・ハハハ」

サラ 「・・・そう・・・ですね。」

エミル 「もう少し一緒にいたかったけど、仕方ないわね。」

シベル 「じゃあ、今までありがとうな。」

エミル 「ありがとうねェ。」

サラ 「・・・ありがとうございました。」


お母さんが、ここに私を預けたのは、
お母さんが病気だと知り、・・・長くないと知らされた時のことだった。

それを聞いた父は、早々に家を出て行った。
「一人でこんな娘を育てられる気がしない。」それが最後の言葉だった。

母は、近くに住んでいたこのシベルさんの家に駆け込んで、事情を話し、
私が15歳になるまでここに預けるようにお願いした。

人の良いシベルさんたちは、快く了承し、
母は、そのすぐあとに、安心したような顔で、


・・・逝った。

眠るように。

その後、シベルさんたちは、一緒に住まないかと言われたが、
それはやめた。

母と一緒に過ごしてきた思い出の家を離れたくなかった。

シベル 「それで、これからはどうやって生きていくんだい?」

サラ 「え・・・。」

エミル 「そうよ。お金もないのに、どうやって生きていくの。」

シベル 「あ、なんなら、ここにずっと住んでもいいんだぞ?」

エミル 「・・・そうね、お約束の期限は過ぎたけど、うちの子になっちゃったら?」

サラ 「・・・それはできません。」

シベル 「・・・どうしてだい?」

サラ 「お母さんとの約束だし。それに、私行く充てはあるんです。」

エミル 「あら、そう?・・・でも、いつでも帰ってきていいのよ。」

シベル 「そうだぞ。いつでも帰ってきていいんだからなあ?」

サラ 「ありがとうございます。・・・それじゃあ。」


私はシベル夫妻に背を向け、家に向かった。

シベル夫妻は、私にむかって、
「きをつけてね~」「体には気をつけろよ~」
「いつでも帰ってきてね~」「危険な場所にはいくなよ~」
そういいながら手を振っていたようだ。

私は一切振り返らず、帰路についた。

サラ 「・・・ミロ、もう出てきて大丈夫だよ。」

ミロ 「チュチュ」

サラ 「・・・これから、どうしよっか・・・」

ミロ 「チュ・・・」

サラ 「行くあてなんてないんだよね・・・あのまま、シベルさんの娘になっちゃえばよかったのに。」

ミロ 「チチ・・・」

サラ 「・・・大丈夫。お金はいくらかあるの。シベルさんたちが、ちょくちょく、少しずつだけど、お金をくれたの。・・・あとは、道で拾ったり。みんなお金を大切にしないのね。」

ミロ 「チュ・・・」

サラ 「・・・それでね、ずっとためてたら、引き出しいっぱいに、コインが敷き詰められるくらいになったのよ。全部合わせたら、いくらになるのかしらね。」

そんな会話を交わしていると、あっという間に家についた。

そして、引き出しを開けた。コインが敷き詰められている。
それを見て、少しだけため息をついた。

サラ 「何に使おう。」

欲しいものも特にない。
服は、エミルさんの着なくなった服を着ている。

エミルさんはやせていて、体形が似ているから。

ゲームとかにも興味はない。
おしゃれにも。


使い道がない。

すると、ミロが動き出した。

ミロ 「チチュー」

ミロがポシェットの中から持ってきたのは、


羽だった。
天使様が落としていった羽の中の1枚。


サラ 「天使様・・・・」

その時ひらめいた。

サラ 「天使様を探そう・・・!!」

ミロ 「チュ♪」

サラ 「ミロ、いい案を出してくれてありがとう!!」

もちろん、天使様なんているかわからないし、
どこにいるかもわからない。

そんな人のために、お金を使うのはどうだろう、って思うかもしれないけど、私はどうしても天使様にお礼がしたい。

直接会って、あの時のお礼がしたい。
そう思っても仕方がない。

サラ 「よし、イコウ!」

ミロ 「チュウ」

ミロは私の肩に乗った。

私は、ポシェットをとって、その中に、ミロが持ってきた羽を入れた。
そして、あまり使っていない、おおきめの布袋に、お金を無理やりに詰めた。

サラ 「よし、いこう。」

もう一度、そう言った。心が引き締まった感じがする。





プロフィール

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*名前*
くららん
*性別*
女
*年齢*
13歳の中学一年生+*
*自己紹介*
中学生のくららんです^^
書く力は全然ありませんが、小説は書くこと読むこと大好きですので、その気持ちを創作力にこめて、書いていきたいと思います。
*ブログ*
読みきり小説や、特別編、またこちらでも紹介している小説の続きや、特別イラストなどなど、盛りだくさんのブログです^^
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