2024年3月 アーカイブ
2024年3月10日 22時04分20秒 (Sun)
AUSTIN MINI COOPER S MK2 着地!(前編)
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去年の1月からお預かりさせていただいているMK2 MINI COOPER S 1275のリビルトが完了しました。
記録がてら写真で撮れたものだけだったりしまが、軌跡を記したいと思います。長くなるので前編後編に分けます。

1967年式MK2初期型の1275/9Fユニットが蘇りました。
生産から58年を経て、物が無い、有っても超高額の2024年現在で、うちで賄えられて、使用する物はなるべくGENUINEパーツを使用し、いろんな奇跡的なタイミングや私の今まで培ってきた経験やノウハウを余すことなく注ぎ、きちんとした9F/1275ユニットとして組み立てられたと考えています。

ずっと多忙で預かって実際にに作業に掛かれたのは8ヶ月後でした。分解する前に違和感を感じ、3番コンロッドの手前に見事に真っ二つに折れていました。

断面から推測するに、クロスドリル穴から破壊が始まった様に見受けられます。ノーマルEN16クランクをクロスドリル化をするには、穴を空けた後に深潭焼入れをしないと折れるというのは聞いたことがあります。加工後にタフトライド加工されたEN40Bでもスクイズされた日からの時間の問題もあるのかな。クランクベアリング合わせの研磨がメーカー指定ではアンダー20までとするのも、堅いがゆえに靱性の無さも関係しているかもしれません。このクランクのメインジャーナルはアンダー40でした。

さあ困った・・・
延命の裏技として、9Fユニットに12Hクランクをコンバージョンする方法があります。安価に手に入るクランクですし、外からは見えないしで、970や1071には使えない手法ですが英国では割とポピュラーに行われて来ました。エンジン開けて、あーーーEN40Bじゃ無かった!なんて話はよく聞く話です。一応本人にもクランクが見つからなかった時の方法として、こんな方法もあるよと打診はしておきました。
でもね、やっぱりちゃんとしたクランクを使ってリビルトしたいじゃないですか。必死のパッチで業者様にも協力していただき、なんとか2本、前期1275・AEG316と後期1275・AEG480を入手することが出来ました。入手可能なアンダーサイズのメタルの都合から、どちらをOHして使うかは最後の最後まで悩みました。MK2の998クランクにたまに見かけることがあるコンロッドエンドのみオイル穴を増やした方式の初期1275・AEG316を使うかMK1後期からMK2最終まで使われた過去イチ最強クランクと言われたAEG480を使うか・・・・今でも判断は間違ってなかった?と自問自答しています。
クランクを加工に出している間に、他の補器や変速機などをユニットごとにOHし組立てに備えます。
前にもチラッと書きましたが、このエンジン、ウォーターポンプやクラッチなどと同じな消耗品のAEG163ヘッドが失われていたのは残念でしたが、価値には全く問題ないと私は考えていて、むしろ死にかけのAEG163が載っていても楽しくないと思っています。話は飛びましたが、エンジンの大本と言えるブロックの製造年月日が1967年8月21日と判明し、ヘリテージともマッチングしこの車輌のオリジナルエンジンということが分かりました。大変貴重なことだと思います。前期薄フランジブロックも後期厚フランイブロックも同じAEG312キャスティングブロックなのですが薄型フランジなのは初期型MK2クーパーSの証でもあります。
ミッションは年代とは合わない4シンクロリモート。ですがギヤレシオとカップリングドライブフランジからすると初期クラブマンGTのミッションだと推測。実際3シンクロは扱いづらいので交換されたのでしょう。オーナー本人憧れのハーディスパイサー・クロスジョイント化が今回のリクエストでもありました。クーパーSにお乗りの方でもハーディスパイサー式になったのはクーパーSが誕生して2年以上後のことで、自分のSがラバーカップリングだと嘆く必要はありません。オリジナルかもしれません。あとから憧れのハーディースパイサーにすることも可能ですから。ただし部品を全部揃えるのは茨の道だと言っておきます。
これから、の写真ですが純正GKN製NOSを使いハーディスパイサージョイントをリビルト
いろいろと考えオイル漏れ対策などをし
憧れのハーデシスパイサージョイント・ドライブシャフトを組める土台作りが完了しました。後編はクランクが加工から帰ってきていよいよ組立て完成編です。
2024年3月10日 20時20分19秒 (Sun)
AUSTIN MINI COOPER S MK2 着地!(後編)
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AUSTIN MINI COOPER S MK2 着地!の後編です。
まずはクランクのOH加工がやっと終わって帰ってき,エンジン組立てです。

先日も書きましたが、手術台にこのままではセット出来ない状態だったので、ステディ取り付け部のねじ山再生からスタート。
シリンダーのホーニング・クロスハッチ加工。スリーブが入り初期化されたブロックが見て取れると思います。
ピカピカになっていたので丁寧に傷を入れて行きました。
帰ってきたクランク。結局2本とも加工に出しどちらも使える様にしました。おかげで時間が掛かりましたw組む直前までどっちを使うか悩みましたが・・・・。オリジナルに忠実に組みたいのが私の意思とオーナーの意思でもあると考え、後期AEG480フルクロスドリルを使うことに。さあテンション上げて行きましょう!
最高品質のREAD/COPPERを使用と行きたい所でしたがどうしても見つからず、メタルはACLで組むことにしました。Sブロックの下からの光景は何度見てもワクワクするのは私だけでしょうか?w
見納めだ、さあいざ組まん!
スラストの1/100単位の微調整に気を使い、クランクが手でクルクル回ることを確認。次はピストンの組み込みです。
ピストンはGTの時代の純正ピストン(STD)何年か前だとAE純正のSTDピストンリングを出してくれたんですが、さすがにもう無いか。オイルリングは使いたく無い形状だったので1番と2番のみを使用しました。
順番に組めました。回すと入れたばかりのクロスハッチにピストンの滑る音がいい感じ。やっとここまで来たかーーーと。
先日直したタイミングプレートを使い、タイミング回りの最適な部品を揃えました。
腰下がだんだん組めて来ました!しかし、旧タイプブロックでも特に肉厚の薄い初期ブロックはクランクウエイトの逃げが丸くて可愛らしく堪らないですよね!堪らないでしょ?きっと誰もが堪らないはずだ(笑)
次はヘッドのリビルトです。少しポートや燃焼室が加工されていて163に近づく努力が見られます。
添加剤が必要な有鉛仕様です。EXはともかくINレットまでも荒れているので適切は添加剤が入れられていなかった模様です。
幸い段加工も激しくされておらずあと何度もOH出来そうな雰囲気です。クラックも入っていませんでした。
幸いガイドは適正な範囲な較差を保もっており再使用。バルブは8本全て交換。軽くシートカットをし摺り合わせでヘッドは蘇りました。
ヘッドを載せる準備です。
使うガスケットは迷ったらこれ、BK450。もちろんリーク対策は万全にしての話です。抜け対策としては幸いデスビは再生品のアドバンスレートが適切な40819が装着されていたので問題はないでしょう。
さあ、胴体と頭の合体間近です。綺麗にされた部品を組んで楽で楽しい仕事だと思ってられる方もいるでしょうが、8割9割は油と泥と塗装の掃除でまさに底辺の仕事ですOHって。勘違いしないで!してないか(笑)
合体しました。
純正鍛造ロッカーの眺めがたまらん!!!あー早く火ぃ入れてーーーー!
イギリスにて再生産してもらったエンジンプレートも装着。車検時には日本で打った職権打刻が見える様につけました。
AEG410 MK1・2専用オイルポンプはNOSを使用。エンジンの心臓のような部品なのでここは大事です。
MK4以前の古いミニには開けた時に必ず追加している熱害防止とオイル悲惨防止のシールプロテクター。最近再生産された様ですが、純正が無くなって慌ててヨーロッパで高い金出して買ったNOSを使いました。
BMCグリーンにピンクプラスチックもええんでないでしょうか。まあ全く見えへんくなるけど(笑)
やばい!また長編になって来た!サクサク終わらせないと!クラッチ装着!今回はSに準じてフライホイールはC-AEG421をチョイス。
カバーはブルー1275NOSを使用
ディスクもS用NOS!あーーーこんなんいちいち書いてるし長編になるんでねか!
プランジャーはイタリアで見つけたルーズフィットNOS(笑)だってーーーーゼロ戦で言えば(出たゼロ戦好き好き店主wwww)栄エンジンを忠実に復元するようなもんじゃないですか!兵器と言えども魂が宿っとると思うんですw
当時の物は当時の部品で、無ければ最良の物を使いたい訳じゃないですか、整備士なら。しかもこれらの部品は金を出したら揃えられるもんじゃないです。みんなが寝ている時にでも世界中をネットサーフィンしながら探す訳です。これは自分との自問自答、闘いなんです。分かってます?(誰に言ってるw)
機関完成の直前でも気が抜けません。古い機械とはこういうことなんです。
結局二箇所でした
そそして機関完成!苦労したことが走馬灯の様に思い出されます。悔いの無い様に組みました。ですが人間なので早く火を入れたい反面、大丈夫だろか。。と怖さはいつもあります。
溜まった他のミニの修理を片付け、少し日にちが経ってしまった深夜にエンジンを積み込みました。
載った!着地はもうすぐです!
この辺りから手が真っ黒、洗い油でクラクラで写真がほとんど撮れてない(泣)
もう油やグリスや泥やらで・・・・・コベコベ過ぎて泣きそうになりました。何をしているのかと言うと・・・ハイドロ前後車高バランス対策とロードホルディング(乗り味向上対策)なんです。左側のハイドロの座りが悪かったのも正せてよかったです。
直したいところが山積みでして・・・・
金も時間も押してるため、ほとんどを見て見ぬふりするしかありませんでした。危ない所だけしときました。あと写真こんだけだけです(笑)
んでいきなり着地w前のめりなハイドロ車が非常に多いんですが、きちんとバランスが取れたでしょ。
このSを運転するのは実に23年ぶり。もう前どうだったかなんて当然忘れてしまってるんですが、とても静かでトルクフルで心地良いエキゾーストノートと対策改善されたハイドロの乗り味・・・・最高です。この乗り味はBMC MINI COOPER Sにしか無い物。
私の好きに仕事をさせてくれたオーナーに感謝いたします。最高のMK2Sになりましたよ!それともっと他を整備してくれーーーーーー!!!!(笑)
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