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まだシリーズ講演録


人生で南極や北極を行ったり来たりしてきたオジサン。そんなところで、これまで何度か子供から若者、大人、ご老人の方々を対象にお話をする機会をいただくことがありました。学校にお招きいただく機会も多々あって、自分の授業のタイトルを「まだ十分に知られていない」とか「まだ教科書に描かれていない」とかの枕詞をつけたりして、南極で出会った自然の話をすることもあったのでした。

2021年9月、大学生の頃、なぜかうろついた記憶のある江古田(練馬区)の武蔵大学キャンパス内にある武蔵学園にて、そんな話をする機会がありました。その時に使用したスライドを備忘録としてHPに記しておこうと思い、以下に抜粋し連ねました。若干の解説付き、です。

 
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南極で人類が科学研究を始めてまだ100年にも満たないから、南極は「未知」の自然がいっぱい。その中で「無知」の輩が「不思議の解明」に挑む、のです。本日、紹介するのは3つの南極の自然の事実、そして3つの南極観測のエピソード
 
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南極が北極よりも寒い気温が記録されているのは、地球上の「極域(高緯度)」にあって太陽の光が季節的に届かなかったり、届いても斜めから照射されて、受光エネルギーが小さい。だけどそれだと北極より寒くなっている理由を説明できないimg_20210930-043008.png
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南極には大陸があって、その標高が高い!平均で2000m、最大で4000m以上の厚い氷で覆われた大陸だから。
 
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寒くたって調査、だってそれが仕事ですから
 
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アザラシの顔も凍るぐらいの寒さ
 
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雪上車に乗り込んで調査地へ
 
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25年前の私。人間の顔だって凍ります。調査が終わり、隊員が寝る場所は
 
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キンキンに冷えた橇の上の小屋(-35℃だった)だったりします
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それは冷凍倉庫の中のマグロになった気分を味わう、ような体験!

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しかしそれでも、南極の真夏は結構温かい。氷が融け雪が融け、滝だって流れるほどです
 
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雪解け水をたたえた湖が多数存在している
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そんな湖ができたのは縄文時代の頃、なのでした
 
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それまで南極大陸のほとんどを覆っていた氷が、少しだけ融けて山の頂上や海岸付近に裸の陸地が少しだけ現れた。
 
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日本の南極観測基地、昭和基地のそばの大陸もそんな裸の陸地がいくつかあって、多数の湖を見つけることができる
 
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寒い南極にある湖だから、「冷たいに決まってる?」と思ってしまうのはイケナイ
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実態を探るのが自然科学の第一歩
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湖によって最高最低水温がずいぶん違うし、日本にある諏訪湖と比べると、あれれ?妙だぞ!
 
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マイナスの温度の液体となっているのは、この湖の水が実は真水ではない、からだ。超しょっぱい!その凍結温度は-18℃
 
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普通の真水の湖でも、一年で水温が0~10℃まで変化しているのがわかる。やや、でもその最高水温は氷で覆われた季節に記録されている。氷がすぐに融けてしまいそうだが、氷が融けてなくなるはその後ひと月もかかっている
 
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光エネルギーを透過させる氷は、温室のガラスのようなもの
 
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(つづく)



 

プロフィール

プロフィール画像
プロフィール
極地で水の中とその周辺で生きている生き物を対象とした生態学を探究中。

北極や海が冬に凍るオホーツク、はたまた夏の南氷洋で氷とともに生きるアイスアルジー(海氷藻類)の研究に携わった後、これまでに日本南極地域観測・越冬隊に3回、夏隊に5回参加しながら南極の湖の野外調査研究を続けている。
性別
男
血液型
O型
自己紹介
極地研究所に職を得て以来、地球の北や南の極地でなぜか騒々しくドタバタ・ジタバタしながら動き回る生活を四半世紀以上続けてきたことに気づいてしまった。現在は、南極でひそやかに輝く湖たちと付き合ってきたせいか、年齢相応の落ち着いたオトナになっているような気がする。
趣味
釣りと料理、最近、家事一般雑事など、多趣味になりつつあるのが困ったところ
特技
自転車操業、せっかちで多動症のようなところで人生をやり過ごしているような技
職業
国立極地研究所 生物圏研究グループ・総合研究大学院大学 極域科学専攻 教授

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