バリ島の暦と儀礼・祭日
2016.10
バリ島を訪ねて寺院を回ると、ウブド近郊の寺院ではのきなみオダラン(寺院の創立記念日)でした。着飾った寺院や人々を見ることができて感激しましたが、逆に「バリ舞踊鑑賞」はオダランのためお目当ての舞踊団が公演中止となり、がっかりすることになってしまいました。
バリ島の生活は暦に決められた祭日・儀礼を欠かすことはできません。バリ島の暦は難しすぎて理解できないのですが、調べてまとめてみました。
contents → サカ暦、サカ暦の月名、ウク暦、ウク暦の各ウク、ワラ(曜日)、ウク暦による重要な祭日
※儀礼の情報は別なページにリンクして説明します。
バリ島の暦
バリではサカ暦、ウク暦、太陽暦が共存している。官公庁、学校は太陽暦。サカ暦は農事。ウク暦は儀礼で使われる。サカ暦 saka
サカ暦は別名ヒンドゥー・バリ暦といわれ、バリ島にジャワ・ヒンドゥー文化が広まる16世紀以前から使われてきた暦であり、太陰暦と太陽暦を組み合わせた太陰・太陽暦である。 このサカ暦はインドのクシャーナ朝カニシカ王が制定した西暦78年を元年とするインド・シャカ暦が元になっているという説があり、西暦78年がサカ暦の元年になる。サカ暦では、新月の日から月がまったくでない暗月(ティルム Tilum)までを一ヶ月とし、1年が12のサシー sasihと呼ばれる月からなる。 満月はプルナワ pernama 、新月はティムルという。バリでは、新月や満月の日は特別な日で様々な儀礼や祭礼がとりおこなわれる。半月は満ちていく時のものは、タンガル tanggal 、欠けていく時のものはパンロン panglong という。太陰暦は、月の満ち欠けを基にした暦である。
朔望月(月の満ち欠けの1周期)が一か月となるが、月によって一か月が29日と30日の月が発生する。 また、12ヶ月も29.53(平均朔望月)×12=354.36日と太陽暦の365日の間にずれが生じる。 サカ暦は、この太陽暦とのずれを、3・4年に一度閏月を挟むことにより調整している、太陰・太陽暦なのである。 バリでは、農耕儀礼は主にサカ暦に準拠している。
インドネシア全国の祝日であるニュピという祭礼はこのサカ暦に基づいている。
ちなみに、イスラム教徒が使うイスラム暦は、太陽暦とのずれを調整しない純然たる太陰暦のため、毎年10日もしくは11日ずつ太陽暦からずれていき、およそ33年でずれが一周する。
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サカ暦のサシー sasih(月)も、西暦と同じく12あるが、サカ暦の1番目のサシーは、西暦の1月と言うわけではない。 サカ暦は太陰暦のため、サカ暦の何月何日は西暦のいつになるのかは毎年変わるものの、閏月により太陽暦とのズレを調整しているので、 サカ暦の一番目のサシーは西暦でいうと常に6~7月ごろになる。
ところが、サカ暦での新年は「ニュピ」。 西暦での3月頃であり、2016年は3月9日、2017年のニュピは3月28日である。
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サカ暦の月名
- 第一月 サシー・カソ Sasih Kasa 西暦の6~7月ごろ・寒くなり始める月
- 第二月 サシー・カロ Sasih Karo 西暦の7~8月ごろ・もっとも寒い月・火葬式が良く行われる
- 第三月 サシー・カティガ Sasih Kating 西暦の8~9月ごろ・空気が乾燥して風が強くなる・凧上げに最適な月
- 第四月 サシー・カパット Sasih Kapat 西暦の9~10月ごろ・花が咲く時期
- 第五月 サシー・カマ Sasih Kalima 西暦の10~11月ごろ・気候は涼しく、ランプータン、マンゴがおいしい季節
- 第六月 サシー・カヌム Sasih Kanam 西暦の11~12月ごろ・雨が降り始め暑くなる月
- 第七月 サシー・カピトゥ Sasih Kapitu 西暦の12~1月ごろ・本格的な雨季に入る月
- 第八月 サシー・カウル Sasih Kaulu 西暦の1~2月ごろ・強風を伴う雨が降る月
- 第九月 サシー・クサンガ Sasih Kasanga 西暦の2~3月ごろ・強風を伴う大雨が降る月
- 第十月 サシー・クダサ Sasih Kadasa 西暦の3~4月ごろ・稲の収穫に良い時期・ニュピの祭礼がある月
- 第十一月 サシー・ドゥスタ Sasih Desta 西暦の4~5月ごろ・雨季が終わる月・田植えの季節
- 第十二月 サシー・サダ Sasih Sadha 西暦の5~6月ごろ・乾期に入る月・田植えの季節
- 第十三月 サシー・マラ・サダ Sasih Mala Sadha 西暦の6~7月ごろ・数年に一度入る閏月
◆ サカ暦と祭礼日
バリ島の寺院のオダランは、ほとんどがウク暦にそって行われるが、ペジェン村からタンパクシリンにかけての寺院の多く、 例えばプナタランサシー寺院やティルタエンプル寺院などのオダランは、サカ暦によって行われる。この地域は昔から栄えていた土地であり、バリ島にジャワ・ヒンドゥー文化が定着する16世紀以前に建てられた寺院が多いからと考えられいる。
また、トゥガナン村やトルニャン村などの寺院もサカ暦によってオダランを行いが、これらの村はジャワ・ヒンドゥー文化がバリ島に定着する以前の文化、 伝統を守るバリ・アガの村であるため、今でもサカ暦に沿った祭礼を行っていると考えられる。
ウク暦 wuku
最もバリの人々の生活に密着しているのが、ジャワ・バリ暦といわれるウク暦である。ウク暦は別名ジャワ・バリ暦といわれ、もともとは古代ジャワで使われていた。 16世紀マジャパイト王国の滅亡によって、ジャワからバリ島に逃げてきた僧侶たちによりバリ島にジャワ・ヒンドゥー文化が広がり、バリ島でウク暦が使われるようになった。ウク暦には、30種類の「ウク」があり、1つのウクは7つの日でできている。 そして、この30種類のウクが一回りすると、ウク暦の一年となる。 つまり、ウク暦の一年は7日×30週=210日となっている。
ウクは7日からなる週のことだだ、この他に一週が1日から10日までの10種類のワラと呼ばれる週があり、これらは同時進行している。
ウク暦では各ワラの組み合わせで重要な日が幾つか決まってくる。 また、1年(210日)は35日ずつのトンペックTumpek(月)に分けられる。
この35日間は五曜週と七曜週の組み合わせに基づいている。 通過儀礼や寺院のオダランを初めとして、バリの大部分の儀礼がこのウク暦に基づいて行われる。
この30のウクのうち、2番目、7番目、12番目、17番目、22番目、27番目のウクの土曜日サニスチャラ Saniscaraは、5日暦のクリウォン Kliwon と重なるトゥンペックTumpekの日で、 この日は特別なお供え物を家寺などに供える祭礼日となっている。 なお、12番目のウク KuninganのTumpekは、クニンガンである。
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ウク暦の各ウク
- シンタ Sinta
- ランドゥプ Landup
- ウキル Ukir
- クランティル Kurantil
- トル Tolu
- グンプルク Gumbreg
- ワリガ Wariga
- ワリガディアン Warigadian
- ジュルンワンギ Julungwangi
- スンサン Sungsang
- ドゥングラン Dunglah
- クニンガン Kuningan
- ランキル Langkir
- ムダンシア Medangsia
- プジェット Pujit
- パアン Paang
- クルルット Krulut
- ムラキー Merakih
- タンビル Tambir
- ムダンクンガン Medangkungan
- マタル Matel
- ウイェ Uye
- ムナヒル Menahil
- プランバカット Perangbakat
- バラ Bala
- ウグ Ugu
- ワヤン Wayang
- クラウ Kelau
- ドゥクット Dukut
- ワトゥ・グヌン Watu-Gunung
ワラ(曜日)
ワラ wara とは日(週を構成する日、あるいは曜日)を意味する。ウク暦では、エカワラ(1日から構成される週)からダサワラ(10日から構成される週)までの10種類の「週」がある。
10種類のワラのうち、特に重要なのはバリの市場の周期である三曜週(トゥリワラ triwara)、および五曜週(パンチャワラ pancawara)と七曜週(サプタワラ Saptawara)である。
ウク暦の一ヶ月(=35日)とは五曜週と七曜週のそれぞれの曜日が同じ組み合わせになる周期であり、五曜週の最終日クリウォン Kliwon と七曜週の最終日サニスチャラ Saniscara の重なる日を トゥンペック Tumpek といい、ウク暦の一ヶ月の節目となる。
ウク暦のワラ(週と曜日)
| 一曜週 (エカワラ ekawara) |
1.ルアン Luang もしくはない日もある |
| 二曜週 (ドゥイワラ duiwara) |
1.ムンガ Menga 2.ププット Pepet |
| 三曜週 (トゥリワラ triwara) |
1.パーサー Pasah 2.プトゥン beteng 3.カジュン kajeng |
| 四曜週 (チャトルワラ caturwara) |
1.スリ Sri 2.ラバ Laba 3.ジャヤ Jaya 4.ムナラ Menala |
| 五曜週 (パンチャワラ pancawara) |
1.ウマニス Umanis 2.パイン Paing 3.ポン Pon 4.ワゲ Wage 5.クリウォン Kliwon |
| 六曜週 (サドゥワラ Sadwara) |
1.トァゥンレー Tungleh 2.アリアン Ariang 3.ウンクン Wurukung 4.パニロン Paniron 5.ワス Was 6.マウル Maulu |
| 七曜週 (サプタワラ Saptawara) |
1.ルディテ Redite(日曜日) 2.チョマ Coma(月曜日) 3.アンガラ Anggara(火曜日) 4.ブッダ Budha(水曜日) 5.ウレスパティ Wrespati(木曜日) 6.スクラ Sukra(金曜日) 7.サニスチャラ Saniscara(土曜日) |
| 八曜週 (アスタワラ Astawara) |
1.スリ Sri 2.インドラ Indra 3.グル Guru 4.ヤマ Yama 5.ルドラ Ludra 6.プラマ Brahma 7.カラ Kala 8.ウマ Uma |
| 九曜週 (サンガワラ Sangawara) |
1.ダング Dangu 2.ジャングル Jamgur 3.ギギス Gigis 4.ノハン Nohan 5.オガン Ogan 6.エランガン Erangan 7.ウルンガン Urungan 8.トゥルス Tulus 9.ダディ Dadi |
| 十曜週 (ダサワラ Dasawara) |
1.パンディク Pantida 2.パティ Pati 3.スカ Suka 4.ドゥカ Duka 5.スリ Sri 6.マヌー Manuh 7.マヌサ Manusa 8.ラジャ Raja 9.デワ Dewa 10.ラクササ Raksasa |
ウク暦による重要な祭日
ウク暦の重要な祭日は、30あるウクとワラの七曜週、そして五曜週によって表される。以下、〈 ウク(何番目と名称)×ワラ・七曜週(何番目と名称)×五曜週(何番目と名称)〉
1. Banyu Pinaruh 早朝、泉や川などへ沐浴に行き、心身ともに浄める。(サラスワティの日に授かった知恵を浄める意図がある)
〈 1・シンタ:Sinta ×1・ルディテ:Redite×2・パイン:Paing 〉
2. Soma Ribek 豊穣の女神デウィ・スリの祭礼の日。チャナン・ソマリブックを供える。
〈 1・シンタ:Sinta ×2・チョマ:Coma×3・ポン:Pon 〉
〈 1・シンタ:Sinta ×2・チョマ:Coma×3・ポン:Pon 〉
3. Sabuh Mas 金銀財宝の神、マハデワ神の祭礼の日。
〈 1・シンタ:Sinta ×3・アンガラ:Anggara×4・ワゲ:Wage 〉
4. Pagorsi ガルンガン、クニンガンに次いで大きな祭日(シンガラジャではむしろこちらの方が賑やか)
〈 1・シンタ:Sinta ×4・ブッダ:Budha×4・ワゲ:Wage 〉
5. Pagerwesi 武器の日。鉄柵と言う意味。パラメスティ・グルと九の方角を守るデワタ・ナワ・サンガに全ての生物の平安と世界の平和を祈る。
〈 1・シンタ:Sinta ×4・ブッダ:Budha×5・クリウォン:Kliwon 〉
6. Tumpek Wariga 植物の為の祭礼の日。サンカラ神に祈る。
〈 7・ワリガ:Wariga ×7・サニスチャラ:Saniscara×5・クリウォン:Kliwon 〉
7. Sugihan Jawa ガルンガンに降りて来る神々と祖先の霊の為に寺や家寺を浄める。祖先の霊が家に帰ってくる(家系によってスギアン・ジャバかスギアン・バリが決まっている)
〈 10・スンサン:Sungsang ×5・ウレスパティ:Wrespati×4・ワゲ:Wage 〉
8. Sugihan Bali ガルンガンに備え、自身の精神を浄める。祖先の霊が家に帰ってくる(家系によってスギアン・ジャバかスギアン・バリが決まっている)
〈 10・スンサン:Sungsang ×6・スクラ:Sukra×5・クリウォン:Kliwon 〉
9. Batara Kalaの降りる日 神がブタラ・カラの姿で人間を食らいに来る
10. Penyekeban バナナなどを収穫し、追熟させるために保管する。
〈 11・ドゥングラン:Dunglah ×1・ルディテ:Redite×2・パイン:Paing 〉
11. Penyajaan 供物にするお菓子やナッツを揚げて、祭礼の準備にいそしむ。
〈 11・ドゥングラン:Dunglah ×2・チョマ:Coma×3・ポン:Pon 〉
12. Penampahan 豚やアヒルなどの家畜を屠殺しサテやラワールを作り供物として捧げる。門の前にペンジョールと言う竹飾りを立てる。
〈 11・ドゥングラン:Dunglah ×3・アンガラ:Anggara×4・ワゲ:Wage 〉
13. Galungan ガルンガンの祭礼の日。ウク暦の最大の祭礼。神々と祖先の霊に供物を捧げて祈る。
〈 11・ドゥングラン:Dunglah ×4・ブッダ:Budha×5・クリウォン:Kliwon 〉
14. Manis Galungan 新しい供物を祭壇に捧げる。
〈 11・ドゥングラン:Dunglah ×5・ウレスパティ:Wrespati×1・ウマニス:Umanis 〉
15. Pemaridan Guru ポマリダン先生の日?
〈 11・ドゥングラン:Dunglah ×7・サニスチャラ Saniscara×3・ポン:Pon 〉
16. Ulihan Jawa 神々と祖先の霊が天界に戻るので、供物を捧げて送り出す。家系によって、jawaの日か、baliの日かが決まっている。
〈 12・クニンガン:Kuningan ×1・ルディテ:Redite×4・ワゲ:Wage 〉
17. Ulihan Bali 神々と祖先の霊が天界に戻るので、供物を捧げて送り出す。家系によって、jawaの日か、baliの日かが決まっている。
〈 12・クニンガン:Kuningan ×2・チョマ:Coma×5・クリウォン:Kliwon 〉
18. Wisnuに供物をささげる
〈 12・クニンガン:Kuningan ×4・ブッダ:Budha×2・パイン:Paing 〉
19. Penampahan Kuningan 屠殺の日。豚やアヒルなどの家畜を屠殺しサテやラワールを作り供物として捧げる。ブタとカラのための供物ピアカラを作る。
〈 12・クニンガン:Kuningan ×6・スクラ:Sukra×4・ワゲ:Wage 〉
20. Kuningan 再び神々と祖先の霊が昼の12時まで地上に降りて来るので供物を捧げて祈る。タミアンという輪飾りを祭壇や軒先などに飾る。
〈 12・クニンガン:Kuningan×7・サニスチャラ:Saniscara×5・クリウォン:Kliwon 〉
21. Pegat Wakan 一連のガルンガン行事の終了、ペンジョールをはずす。
〈 16・パアン:Paang×4・ブッダ:Budha×5・クリウォン:Kliwon 〉
22. Manis Kuningan 一連の祭日の最終
23. Tumpek Krulut 芸術のための祭礼の日、イスワラ神に祈る。
〈 17・クルルット:Krulut×7・サニスチャラ:Saniscara×5・クリウォン:Kliwon 〉
24. Tumpek Kandang 動物、家畜の祭礼。ルードラ神に祈る。
〈 17・クルルット:Krulut×7・サニスチャラ:Saniscara×5・クリウォン:Kliwon 〉
25. Kala Paksa 穢れた日とされるので家の門に魔除けをつける。
〈 27・ワヤン:Wayang×6・スクラ:Sukra×4・ワゲ:Wage 〉
26. Tumpek Wayang 影絵芝居ワヤンの祭礼。楽器や舞踊、影絵芝居の道具に供物をささげイスワラ神に祈る。
〈 27・ワヤン:Wayang×7・サニスチャラ:Saniscara×5・クリウォン:Kliwon 〉
27. Buda Cemeng Kelawu / Hari Rambut Sedana 金銀、お金の為の祭礼、スダナ神に豊穣を祈る。市場にあるムラティン寺院、銀行のオダラン。
〈 28・クラウ:Kelau×4・ブッダ:Budha×4・ワゲ:Wage 〉
28. Saraswati 知恵、芸能の女神サラスワティの祭礼。書物、古文書ロンタルに供物を捧げ、この日は読み書きしてはいけない。
〈 30・ワトゥ・グヌン:Watu-Gunung×7・サニスチャラ:Saniscara×1・ウマニス:Umanis 〉
リンク
暦関連解説
※ カジュン・クリウォン kajeng Kliwon 供物を捧げる日ウク暦による供物を捧げる日。悪霊が災いを起こしやすい日だから。ウク暦では週は一週1日~10日の十種類の週がある。 それらのうち幾つかは同時進行している。 トリワラという三曜週の三日目(カジュン)とパンチワラという五曜週の五日目が(クリウォン)とが重なる日が、カジュン・クリウォンとなる。 この日は15日に一度やってくるが、地下界の悪霊ブタ・カラが地上界に舞い上がってきて悪さをする時と考えられている。 人々は、前夜から十字路や家々の門、社などに供物を捧げる習慣がある。
※ ガルンガン/クニンガン Galungan / Kuningan 迎え盆/送り盆
日本のお盆に似た行事がガルンガンとクニンガンだ。 ともにウク暦に準じて行われる。 ガルンガンはちょうど迎え盆、クニンガンは送り盆にあたる。 バリ人の祖先の霊ははガルンガンの5日前にやってくる。 そして、10日後、すなわちクランガンの5日前に天界に戻っていくと考えられている。 この期間中は人々は墓地や自分の先祖霊が奉られている寺院に行き、丁重に供物を差し出す。 寺院では、様々な催事がひらかれる。
ガルンガンはウク暦の第11週目(ドゥングラン Dungulan)で、この週のさらに七日・曜週の四日目(ブッダ budha)と五日・曜週の五日目(クリウォン kiliwon)の重なる(ブッダ・クリウォン) 賑やかに芸能が行われ、多くの出店が並ぶ。家々の前にペンジョールという竹竿で作った飾り物を立てる。 家財道具などは新品を用意して先祖霊の訪れに備える。
クニンガンはガルンガンの10日後。クニンガンには供物は取り替える。これらは西暦によると毎年日にちがかわる。
※ サシー・クサンガ Sashi Kasanga 第九月
バリ語のサシー sashi とは月の意味。サシー・クサンガはサカ暦の第九番目の月。 サシー・クサンガ(西暦の2~3月ごろ)は雨期から乾季への季節の変わり目でこの頃が厄災が起きやすく、かつ悪霊が徘徊しやすい頃になる。
次のクサダ月(西暦の3~4月ごろ)の最初の日はニュピと呼ばれ、バリの正月と呼ばれている。この後は太陽が次第に赤道の北側に移動していく。
※ トゥンペック tumpek 捧げ物の日
ウク暦の五曜週の最終日クリウォンと七曜週の最終日サヌスチャラが重なる日はトゥンペックと呼ばれている。 供物を捧げるのによい日。七曜週と五曜週は規則的に同時進行するので、トゥンペックは35日に一度必ずやってくる。 また、ウク暦の一ヶ月をトゥンペックともいう。 トゥンペックはウク暦の一年間で6回ある。 送り盆であるクニンガンもトゥンペックの一つで、正確にはトゥンペック・クニンガンと呼ばれる。
※ トゥンペック・ランドゥプ tumpek Landep 武器の日
ウク暦の第二週のトゥンペック。人々はクリスや槍等の武器やさらに鉄に日ごろの感謝と敬愛をこめて供物を具する。 自動車にも飾りをつける。昔は武器は大変に貴重だったので、王族はこの行事を盛大におこなったという。
※ トゥンペック・ワヤン tumpek Wayan 演劇に捧げる日
ウク暦の第二十七週のワヤン週のトゥンペック。 トゥンペック・ワヤンには演劇や衣装、人形、楽器などにお供えをする。当日はすべての上演は行わない。 芸能関係者はサヌール近くのスマワンにあるムリタサリ寺院にある社(ゲルンガンという舞踊の髪飾りを模した祭壇が置かれている)にお参りをする。 または、舞踊のデワ・プルギナ神に来るべき公演の成功を祈って供物を捧げる。
※ ニュピ Nyepi 静寂の日
静寂の日として知られている。サカ暦に準じて行われる。語源はバリ語の静かなの意味のスピ sepi からきている。
ニュピの日には地獄の主神ヤマが大掃除をするので、地下界の悪霊が地上界に逃げてやってくると考えられている。 ニュピの頃はいまいましい雨期が終わる季節で、サカ暦の第10月の始めにあたる。 この日は一日中家の中に閉じこもる。 火や電気も使えないので食事は前もって用意しておく。
ニュピの二日目以降は前日の静寂とうってかわって、村や寺院では賑やかに祭礼が行われる。 ニュピは正確には悪魔祓いの儀式の一種。 ニュピではニュピを迎えるにあたっての一連の儀礼がとても重要な役割をもっている。 それらはムリスmelis というニュピの三日前の神像沐浴の儀式と ムチャル mecaru という前日の悪魔祓いの儀式が中心。 ニュピの時期は雨期と乾季の分岐点で季節的に大きな節目にあたる。
バリ版の正月といわれるが、正月といっても新しい年に変わるものではない。 しかし、この日はインドネシア全土で祭日になる。
この日は、観光客にとっても影響のある日となるので注意!
※ パグルウェシ Pagerwesi 鉄の日
ウク暦の重要な祭日の一つ。本来はパグルウェシの鉄柵を意味する。 人々は鉄柵が悪霊から守ってくれると信じて、この日(ハリ・パグルウェシ Hari Pagerwesi)は鉄製品に感謝の供物を捧げる。 ※インドネシア語のハリ hari は日を意味する。
※ サラスワティの日 Hari Saraswati
サラスワティの日はこの神様のためにある。書籍やロンタルにお供えをして感謝の儀礼を行う。 筆やノートを使ってはいけないし、また書物を読んではいけない。 学校では、儀礼が行われる。ウク暦の一年の最後の日、ワトゥ・グヌン週 Watu-Gunung の土曜日がサワスワティの日にあたる。
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