シェア
楽天市場
[無料でホームページを作成] [通報・削除依頼]

バリ島の叙事詩1 ラーマーヤナ

 バリ島には様々な伝説や神話がありますが、バリ島舞踊のケチャでは、「ラーマーヤナ」が主題となり、ワヤンでは、「マハーバーラタ」が描かれています。この両叙事詩のうち、ラーマーヤナのあらすじと登場人物をご紹介します。
 長めのあらすじですが、経緯や伏線、出来事をしっかりと押さえてあります。マハーバーラタのあらすじと登場人物は別ページにリンクして紹介しています。


contents
叙事詩1 ラーマーヤナ
『ラーマーヤナ』は、古代インドの大長編叙事詩。ヒンドゥー教の聖典の一つであり、『マハーバーラタ』と並ぶインド2大叙事詩の1つである。サンスクリットで書かれ、全7巻。

 ラーマーヤナRamayana はラーマ Rama と歩み ayana の合成語で、ラーマの行状、ラーマの生涯を意味し、ラーマの運命を歌った叙事詩、ラーマの冒険とされる。収録されている詩作は最初のカーヴィァ体の詩と讃えられた。ラーマーヤナは、インド文化のおよぶ全東洋に普及している。特に東洋の海辺諸地方では、国民文学の代表として愛されてきた。第1巻と第7巻は、後世に加えられたものとされている。

叙事詩2 マハーバーラタ ※別なページで紹介します。
 
『マハーバーラタ』は世界3大叙事詩の1つとされる(他の2つは、イーリアス、オデュッセイア)。『ラーマーヤナ』と並び、インド2大叙事詩の1つでもある。サンスクリットで書かれ、全18巻。聖書の4倍にあたる。
 物語はパーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の争いを軸に進められ、物語の登場人物が誰かに教訓を施したり、諭したりするときに違う物語や教典などが語られるという構成であり、『バカヴァッド・ギーター』は著名な部分であり、宗教上、特に重視されている。
※王国、神、寺院の情報は別なページにリンクして説明します。

〇 叙事詩 ラーマーヤナ The Ramayana

「ラーマーヤナ」のあらすじ

主な登場人物
・ダシャラタ -- アヨーディヤーの王。ラーマの父。子どもを授かるため馬祀祭を催す。ラーマ追放後に心労により急逝する。
・ラーヴァナ Ravaṇa -- ラークシャサの魔王、ランカー城に居住。10の頭、20の腕と山のような巨体を持つ。梵天ブラフマからの特権により、神々では倒すことができない。クーベラ神とは異母兄弟。クーベラ神をランカーから追い出し、天上車も奪い取った。
・ラーマ Rama -- ダシャラタ王とカウサリヤー妃の息子。神々がラーヴァナを倒すために送り込んだヴィシュヌ神の生まれ変わり。
・カウサリヤー Kausalya -- ダシャラタ第一王妃。馬祀祭で神々の使者から天上の甘露を授かり身ごもった。ラーマの母。
・カイケーイー Kaikeyi -- ダシャラタ王第二王妃、バラタの母。侍女の「ラーマが即位すれば、バラタは殺されるか追放される。」との言により、王にラーマの追放を強要する。
・マンタラー Mantara -- カイケーイーの侍女。ラーマがカイケーイーとその子バラタに害をなす存在であると盲信しており、ラーマの追放をカイケーイーに勧めた。
・スミトラー Sumitra -- ダシャラタ王第三王妃、ラクシュマナ、シャトルグナの母。天上の甘露を二口飲み双子を授かる。
・ラクシュマナ Lakṣmaṇa -- ラーマ王子の弟、スミトラー妃の息子。ラーマに忠実に仕える。シーターの妹にあたるウールミーラと結婚する。ヴィシュヌ神の生まれ変わり。弓の名手。シャトルグナと双子の兄弟。
・バラタ Bharata -- ダシャラタ王とカイケーイー妃の息子。ラーマ追放に際して王とはならず、ラーマの臣下として国政をとる。
・ジャナカ Janaka -- ミティラーの王。シーターとウールミーラの父。祭壇を作るために大地を鋤で掘り起こした際に、土の中に発見した少女・シーターを娘として養育した。
・シーター Sita -- ラーマの妃、ジャナカ王家出身。ダンダカの森でラーヴァナにさらわれる。ラーマから不貞がなかったかことの証明を2度も求められる。シーターは畝の溝の意味。
・ジャターユ Jatayu -- 老齢のはげ鷲。サムパーティの弟。ダンダカの森にやってきたラーマの盟友になった。ラーヴァナがシーターをさらった時に戦って倒れる。
・サムパーティ Sampati -- 老齢のはげ鷲。ジャターユの兄。シーターを捜索している猿族に、シーターの行方を教える。
・シュールパナカー Surpanakha -- ラーヴァナの異母妹。ラーマに結婚を迫った際に、シーターを襲いラクシュマナに鼻と耳をそぎ落とされる。双子の兄カラにラーマを襲わせ、次にラーヴァナにラーマの妻シーターを略奪するようけしかける。
・マーリーチャ Marica -- ラークシャサ(羅刹・鬼)の魔術師。ダンダカの森で美しい金色の鹿に変化し、ラーマとラクシュマナを誘い出して、シーターの誘拐を助けた。
・スグリーヴァ Sugriva -- ヴァナラ(猿)族。太陽神 スーリヤの子で、ヴァーリンの弟。リシュヤムーカ山に隠れ住み、シーター誘拐を目撃していた。ヴァーリンとの一騎打ちでラーマに助けられる。
・ヴァーリン Valin -- ヴァナラ族の猿王。インドラ神の子。ヴァナラ族の都キシュキンダーの支配者。スグリーヴァの兄。戦いから戻った時に王になっていたスグリーヴァを許さず、追放し妻も奪う。
・ターラー -- ヴァーリンの妃。知恵者。ヴァーリンとスグリーヴァの一騎打ちの際に、きっと加勢者がいるのだと夫を止めたが適わなかった。
・アンガダ Angada -- ヴァーリンの息子。スグリーヴァの甥。猿族を代表する戦士。スグリーヴァから後継者とされる。
・ハヌマーン Hanuman -- 風神ヴァーユの子。スグリーヴァの配下、大臣。最も優れた戦士、弁舌家。身体を自在に大きくでき、空を飛ぶ。ラーヴァナの投げ矢でラクシュマナが胸を貫かれた時には、ヒマラヤから薬草を峰ごと運んで助けた。
・インドラジット Indrajit -- ラーヴァナの子。父ラーヴァナが天界と戦争したとき、神々の王であるインドラ神を打ち破り、ランカー島に連行した。魔術に長けている。戦いの祭式を終えるといかなる者も倒せない。
・クンバカルナ Kumbhakarṇa -- 羅刹王ラーヴァナの兄弟。山ほどもある巨大な体で、すべてのものを食べ尽くす食欲の持ち主であるため、9か月に1日しか目を覚まさないという呪いを神々にかけられた。ラーヴァナ軍が劣勢になったため無理やり目覚めさせられて参戦する。
・ヴィビーシャナ Vibhisana -- ラーヴァナの異母弟。心正しいラークシャサ。ラーマとの戦争が始まる直前に部下を連れてラーマ軍に投降し、兄ラーヴァナの軍勢と戦った。戦後、ラーマによりランカー島の王とされた。
・トリジャター Trijata -- 年老いた羅刹女ラークシャサ。ラーヴァナの滅亡を予知する夢を見た。また心が優しく、捕らわれたシーターを励ました。
・ヴァールミーキ仙 -- ラーマがシーターを森に追放した際にシーターを保護する。叙事詩『ラーマーヤナ』の著者とされる聖者。

****
・ラーマの父「ダシャラタ」の意味 -- 「十の方向に同時に戦車を駆る者」※アショーカ・K・バンカー著「ラーマーヤナ」
・ラーマ兄弟の母の国 -- カウサリヤー : マドラ国、カイケーイー : ケーカヤ国 スミトラー : カーシ国
※アショーカ・K・バンカー著「ラーマーヤナ4聖都決戦」で、ラ-マ兄弟の母の国が書かれていたのをきっかけにWikipediaで調べた結果です。(「新訳ラーマーヤナ」東洋文庫・平凡社には、ラーマ兄弟の母の国は書かれていません。)いずれもマハーバーラタに登場する国です。
  母の国の概要はこちらを参照してください。⇒ マハーバーラタ クルクシェートラの戦い-戦いに参戦した国の概要

img_20170108-150441.jpg
ネカ美術館 ラーマーヤナ

第 1 編「少年の巻」

 コーサラ国王ダシャラタは子供がいないため盛大な馬祀祭を催し、王子誕生を祈願した。おりしも世界はラークシャサの王ラーヴァナの脅威に苦しめられていたため、神々によりヴィシュヌ神がラーヴァナ討伐のため、ダシャラタ王の王子として生まれることとなった。神々は、それに合わせ猿族や熊族にもヴィシュヌ神の助けになるよう神の力を宿す手配をした。こうしてカウサリヤー妃からラーマ王子、カイケーイー妃からバラタ王子、スミトラー妃からラクシュマナとシャトルグナの2王子がそれぞれ生まれた。

 聖仙ヴィシュヴァーミトラが王宮を訪ね、王に祭式を妨げる鬼をラーマに退治してほしいと願った。王はまだ若いからとしぶったがラーマとラクシュマナは聖仙と共に行き鬼を退治する。勝利に喜ぶヴィシュヴァーミトラ仙から神々の武器を授かり、道中ラーマは聖仙(りし)から多くの教えを受ける。
 ※聖仙、ヴェーダ聖典を感得した聖者・賢者。ヨーガの修行を積んだ苦行者。
 その後、ラーマはヴィシュヴァーミトラ仙のお供をして、祭礼を行っているというミティラーのジャナカ王を訪問し、そこで神から授けられた宝弓を見ようと出かけた。この矢は婿選びに用いられていて、これまで多くの王侯が引くことができなかった弓をラーマは引きしぼりへし折った。ラーマは父ダシャラタ王の承諾も得て、シーター姫(ジャナカ王の娘)と結婚した。

第 2 編「アヨーディヤーの巻」
 
 ダシャラカ王は、ラーマに王位を譲ろうとした。ダシャラタ王の第2王妃カイケーイーにはマンタラーという侍女がいた。王の意向を知ったマンタラーは妃にラーマ王子への猜疑心を起こさせて、ダシャラタ王にラーマをダンダカの森に14年間追放し、バラタ王子の即位を願うようにカイケーイーを説得した。
 ダシャラタ王は戦いでカイケーイー妃の介抱で命を助けられた際に、どんな願いでも2つまで叶えることを約束したことがあった。カイケーイーの約束を守れという言に、法に縛られたダジャラ王はどうすることもできなかった。
 ラーマは皇太子に即位する前の夜に呼び出され、何も言わない父の代わりにカンケーイー妃から森に行けとの命を受け、父を思い自ら進んでしたがった。ラーマはシーターに王宮に残れといったが、森にいっしょに行くというシーターの固い決心を受け入れ、ラクシュマナ(第3王妃の息子・弟)を伴ってアヨーディヤーの都を出た。王は妃や領民とともにいつまでも一行を見送った。残された王は悲しみの余り絶命してしまう。

 叔父の城から戻ってきたバラタは母カイケーイー妃を激しく叱責した。王位につくことを拒否したバラタは、父ダシャラタの国葬後に母ら、臣下、軍勢とともにラーマを追い、引き戻って王位につくように懇願したが、ラーマは父の命を貫徹するとして拒絶し、バラタに国を治めるよう説得した。バラタはラーマから履物を譲り受け、王宮に入らず苦行僧の着る粗末な服を着て、郊外の村でラーマの履物を玉座に置き、ラーマの代理として執務をとった。
 ラーマは人々が訪問できないような居住地に変えるため、奧の森へと進んだ。

第 3 編「森林の巻」
 
 ダンダカの森にやってきたラーマは、様々な苦行者たちの隠棲所を訪ね歩いた。そして、聖仙や苦行者たちから、彼らを迫害し殺すラークシャサ(羅刹・鬼)からの保護を懇願され、戦って滅ぼすことを約束する。大聖仙アガスティアからは、剣とヴィシュヌ神が所有していた弓と矢の尽きることのない矢筒を贈り物として与えられた。
 ラーマは父の友だったという鳥王ジャターユと知り合った。ジャターユは森に住む間の友として2人がいないおりはシーターを守ることを約束した。
 
 シュールパナカー(ラーヴァナの妹・鬼)はラーマに懸想したが拒絶され、ラクシュマナからは侮辱を受け、シーターを襲ったことにより顔を傷つけられる。シュールパナカーは双子の兄のカラのもとに逃げ、ラーマを殺すよう訴えた。
 カラは1万4千の兵によりラーマを襲撃したが、ラーマは弟ラクシュマナにシーターを守らせ、ただ一人でカラの軍勢をせん滅した。次にシュールパナカーは復讐のため兄ラーヴァナ(ランカー島の鬼の王)にシーターをさらって妻にするようけしかける。
 そこで、ラーヴァナはラークシャサの魔術師マーリーチャがいやがるのを脅して意のままにし、美しい黄金色の鹿に化けさせ、シーターの周りで戯れさせた。シーターはこれを見て驚き、ラーマとラクシュマナに捕らえるようせがんだ。そしてラーヴァナは2人がシーターのそばを離れた隙に、苦行者に化けてシーターの前に現れ、シーターをさらってランカー島に逃げた。このときシーターの叫び声を聞いた鳥王ジャターユが止めに入ったが、ラーヴァナに叩き落とされた。
 シーターは、ラーヴァナに連れ去られる際に、空から岡の上に座るりっぱな猿に装飾品を投げた。

 ラーヴァナはランカー城にシーターを運び、自分の妃・ランカーの女王になるように頼んだ。求めに応じないシーターに十二ヶ月の内に心を寄せないならば、切り刻むと宣言し、アショーカの森に幽閉した。
 嘆き悲しんで、森を探すラーマに鹿たちが南の方角を指した。南に進むと車や武器の残骸の中にジャターユが倒れていて、ラーヴァナがシーターを連れ去ったことを告げて息を引き取った。
 ジャターユを丁重に弔い、道を急ぐラーマたちの前に巨人カヴァンダが現れる。ラーマに倒されたカヴァダは火葬にしてもらうことを頼み、昇天する際に「猿族のスグリーヴァがシーターの行く先を教えることになる。彼と同盟せよ。」と告げた。

第 4 編「キシュキンダーの巻」
 
 ラーマたちはスグリーヴァに会うためにキシュキンダーのリシュヤムーカ山を訪れた。ラーマとラクシュマナの姿をみたヴァナラ族のスグリーヴァ(猿の王の弟)は、ハヌマーンを差し向け素性を確かめさせた。妻を奪われたという同じ境遇に両者はお互いに力を合わせることを約束し、スグリーヴァは、猿へ投げたシーターの飾りをラーマに見せた。
 ラーマはスグリーヴァとヴァーリンの一騎打ちの際にヴァーリンを矢で貫き、兄猿王ヴァーリンから王国と妻を取り戻すのを手伝った。夫ヴァーリンを追っていっしょに殺してくれというターラーを見て、スグリーヴァも兄を殺したという自戒の念に苛まれる。
 ヴァーリンの葬儀が行われた後、スグリーヴァは猿の王に復帰し、兄の子アンガダを王位継承者とした。雨期がやってきた。
 戴冠式の後、宴が続けられ、シーター捜索の約束は雨期が開けても実行に移されなかった。ハヌマーンは、享楽にふけるスグリーヴァにシーターを探すというラーマとの約束を思い出させた。スグリーヴァは全軍を招集する命令を発した。

 ラーマの使いとしてラクシュマナがやって来て激怒するが、猿王の妃ターラーに「あなたが何に不満なのかは十分理解しているが、すでに兵は招集されている。」となだめられる。こうして、剛勇な猿たちが集結した。
 スグリーヴァはラーマの恩に報いるため、東、西、南、北の全方位にシーターの捜索隊を派遣した。ラーマはハヌマーンに自分の使者としての証として指輪を託した。南に向かったアンガダ、ハヌマーンの1隊は捜索の期限が過ぎ死ぬしかないと思い定めた。そこに現れた鳥族のサムパーティに経緯を話し、サムパーティからシーターの居場所が南海のランカー島(セイロン島とされる)であることを教えられた。

第 5 編「優美の巻」
 
 風神ヴァーユの子であるハヌマーンは、身体を巨大にして対岸から海を飛び越えひとりランカー島に渡り、宮殿を探し回りようやくシーターを発見する。
 ラーヴァナは呪いをかけられていたため、シーターを手込めにすることはできなかった。ラーヴァナは、シーターを監視する魔女たちに、シーターに妃になることを承諾させよと命令する。魔女たちがシーターを脅す中、心優しい年老いた魔女トリジャターは、囚われの身のシーターに自分の見たラーヴァナの滅亡を予知する夢を話して元気づけた。
 ハヌマーンはシーターに自分がラーマの使者である証であるラーマの指輪を見せ、やがてラーマが猿の軍勢を率いて救出にやってくるであろうと告げた。シーターは自分の命は後二ヶ月であることを告げ、ハヌマーンにラーマに見せるように宝石を渡した。

 ハヌマーンは、シーターを見つけた後、自分が暴れて相手の力を把握することが必要だと決心した。ハヌマーンは庭を荒らし現れた軍勢と戦い、ラーヴァナの子、インドラジットに捕らえられた。ラーヴァナは死刑にせよと言ったが、弟ヴィビーシャナの言で、ハヌマーンの尻尾に火をつけ街中を引き回すことにした。火神へのシーターの祈りでハヌマーンは焼けず、自ら束縛を解き、ラーヴァナの宮殿を火の海にして対岸で待つアンガダたちの所に戻った。
 猿たちは、猿王スグリーヴァとラーマの元に戻る際に、密の森に立ち寄り果樹を食い荒らした。その知らせが猿王に報告された時、スグリーヴァはシーターが見つかったことを確信した。アンガタたちはラーマのもとに帰還し、ハヌマーンはシーターの宝石を渡し、その消息とランター城でのできごとや軍勢の様子など一部始終を報告した。
 ラーマは、スグリーヴァに全軍をランカー島に向かわせる命令を出させた。

第 6 編「戦闘の巻」
 ラーヴァナはラーマが軍勢を連れて攻めてくる事態への対処のために、臣下と会議をもった。しかし、シーターをラーマに返すべきという臣下の意見には耳をかさなかった。弟ヴィビーシャナの忠告を罵倒し、シーターは絶対に返さないことを宣言した。ヴィビーシャナは兄の元を去り、ラーマの軍勢に入った。
 軍勢とともにどのようにして海を渡るかに悩むラーマに、ヴィビーシャナは海神に頼むよう進言した。水の神ヴァルナは軍勢にいる猿族ナラに橋を建設させるように告げた。ナラは神々の建築家ヴィシュヴァカルマンの息子であった。
 ラーマたちは猿たちの力によって海に橋を架けてランカー島に攻め込む。スグリーヴァはランカー城に偵察にいき、ラーヴァナを見て単身で戦いを挑んだが、帰還してラーマに諭される。

 ラーマとラーヴァナとの間に大戦争が起きた。ラーヴァナ軍の将軍には猿族の将軍が挑み激しい一騎打ちが行われた。
 魔術を使い消えたまま戦うことができるインドラジット(ラーヴァナの子・鬼)にラーマ軍は苦戦し、イントラジットの矢の網を全身に浴びたラーマとラクシュマナが倒れた。そこにガルーダが助けに現れた。インドラジットの矢は毒蛇の変幻であり、ガルーダが来ると毒蛇は逃げだし、ガルーダがそれを食べつくした。
 ラーヴァナ軍の将軍が次々倒される中、ラーヴァナは弟クンバカルナを無理やり目覚めさせられて参戦させた。クンバカルナは猿の戦士を殺しては食べ、スグリーヴァを気絶されて宮殿に運び込んだが、スグリーヴァは息を吹き返すとクンバカルナの鼻と耳を食いちぎって脱出した。戦場に戻ったクンバカルナに猿の戦士が多数襲いかかり、ラーマの矢でクンバカルナは身体をバラバラにされて倒れた。

 再び戦いに来たインドラジットの攻撃になすすべもなくラーマとラクシュマナが倒れ、ハヌマーンはヒマラヤに飛び薬草を持ち帰り、無事助けることができた。猿軍は大きな被害を受けながらも次第にラークシャサ軍を圧倒していった。
 ヴィビーシャナの進言を受け、ラクシュマナと猿軍が宮殿の軍勢を襲い、祭式途中のインドラジットを引き出した。ラクシュマナとインドラジットの壮絶な弓矢の戦いが巻き起こった。戦いの中、戦車の御者と馬が倒されたインドラジットは地上に降り、ラクシュマナの神の矢がインドラジットの胸を貫いた。
 ラーマとラーヴァナの戦いの中、ラーヴァナの投げ矢がラクシュマナの胸を貫いた。ハヌマーンは再びヒマラヤに飛び、薬草を峰ごと運んでラクシュマナを助けた。
 インドラ神が神の戦車と御者をラーマに授けた。ラーヴァナとラーマはお互い神の武器を使った壮絶な戦いは七日の間続いた。御者の進言により、ラーマは祈りの讃歌を唱えて梵天・ブラフマー神の矢をラーヴァナめがけて放ち、ラーヴァナの心臓を切り裂いた。

 勝利の後にシーターを宮殿につれてきたラーマは「他人の後宮に過ごした女性を妻として受け入れるわけにはいかない、好きな所で暮らすがよい。」といった。貞操を疑われたシーターは火の中に身を投じるが、火神アグニが彼女を抱きかかえて現れてシーターの潔白を証明する。ラーマはシーターを信じていたが、衆人の中でシーターの潔白の証明が必要だったのだ。祝福に現れた神々に、ラーマは戦いに斃れた猿たちを生かしてほしいと願いそれを叶えられた。
 ラーマはヴィビーシャナをランカーの王とした後、ヴィビーシャナが用意した天上の車プシュパカに乗って、猿の将軍らとともにアヨーディヤーへ凱旋し、ラーマは王位についた。

第 7 編「最後の巻」 

 シーターが妊娠する。シーターはラーマにガンジス川の苦行僧を訪問することを望んだ。
 ラーマの即位後、人々の間ではラーヴァナに捕らわれていたシーターの貞潔についての疑いが噂されていた。それを知ったラーマは国内の道徳に悪影響を及ぼすことを考え、苦しんだすえ兄弟を集めた。
 ラクシュマナは、ラーマの命により、シーターをガンジス川のヴァールミーキ仙の所に連れて行き、そのまま置いてこなければならなかった。シーターはヴァールミーキ仙のもとで暮すこととなり、そこでラーマの子クシャとラヴァの双子を生んだ。ヴァールミーキ仙は二人に『ラーマーヤナ物語』を語って聞かせた。

 ラーマの元にバラモン僧がきて、息子が死んだのは、王の統治の仕方が悪いからだと言い放つ。ラーマは天上車に乗って国中を回り、山中で苦行しているスードラ(奴隷階級)を見つけた。スードラが僧の行いをすることは許されることではなかった。ラーマはこのスードラを切ってすてた。
 ラーマは国を浄化するために、森で盛大な馬祀祭を催した。そこにヴァールミーキ仙と双子がやってきた。二人が物語を朗詠するのを聞いたラーマは自らの息子と信じ、シーターを呼び馬祀祭に招かれた人々の前でもう一度、身の潔白を証明するように求めた。シーターは承諾し大地に向かって訴え、貞潔ならば大地が自分を受け入れるように願った。すると大地が割れて玉座に座った大地の女神グラニーが現れ、 シーターの貞潔を認め、女神はシーターを抱えて玉座に座らせて、ともに大地の中に消えていった。天界から花の雨がシーターの上に降り注いだ。人々も神々もシーターを賞賛したが、ラーマは悲しみの中に沈んだ。
 ラーマはその後、妃を迎えることなく式典では常にシーターの黄金像を王妃の椅子に置いた。

 神の使いが来て、人間界から去る時がきたことをラーマに知らせた。ラクシュマナはラーマと神々の使いの話しを聞いたことにより、先に天国に旅立つ。ラーマは王国を二つに分け、クシャとラヴァに王権を託した。弟たちバラタとシャトルグナも息子たちに王国と王位を譲った。ラーマたちが天界に向かう旅路には、スグリーヴァや神の子の猿族たち、アヨーディヤーの領民たちも同行を願った。ラーマはハヌマーンと羅刹王ヴィビーシャナには生きよと命じた。
 ラーマたちが川にたどり着くと神々が降りてきた。ラーマと弟たちは川に身体を沈め、ヴィシュヌ神の身体に戻った。ヴィシュヌ神は付き従った者たちを連れて天界へと昇っていった。

新訳ラーマーヤナ 東洋文庫・平凡社、ウキィペディア・インドネシア版。東京外国語大 東南アジア古典文化論 講義を中心に
 ラーマーヤナはインドから東南アジアに広まっている話で、登場人物の名前などは違う話があります。< 戻る >  

ホームページのご紹介

このサイトは
海外旅行でドイツ・フランス・ベルギー、バリ島、シンガポールを訪れました。
ガイドブックだけでは分かりません。このサイトを見れば訪問地のつかみはOKです!
見学地の資料もご覧ください。
QRコード
携帯用QRコード
アクセス数
ページビュー数