2014年10月26日 18時55分38秒 (Sun) 室生犀星とつき合う

この詩人の魅力は、よく紹介されるように「人間くささ」の一言に尽きると思います。人間の弱さや強がり、喜び悲しみを率直でわかりやすい言葉で表現した詩人です。また、この詩人のことばに触れていると、日本の自然の持つ美しさや日本人としての自然観を存分に味わうことができます。繊細で瑞々しい水彩画から感じられる印象にも似ていて、これは宮沢賢治や高村光太郎の詩からは味わえない歓びです。都会においては人をうたい、田舎においては自然をうたう詩人で、周囲の環境に思いきり左右されるタイプの、非常に日本人的な詩人であったといえます。まあどこにいても犀星は根本的に孤独を愛していたのでしょうが。
音楽をうたった詩もいくつかあり、印象的なものを挙げると、まず「家族」において
・・・(略)・・・
だがあれは音楽ではなかったか
音楽に聞きとれた空想ではなかったか
という表現で、家族の幸せで楽しそうな情景を、一瞬垣間見られるような空想として捉えています。つまり、現実の家族生活はほとんどが酷なものであるといおうとしているのでしょう。結婚生活に悩みながらも家庭を守り通そうとした犀星は偉い!そのあたりの苦悩を記した作品もあります。なので、現在結婚生活を営んでいる諸君!犀星を見習ってちゃんと最後まで頑張るのだぞ。頑張ってネコ☆にゃんฅ(^ω^ฅ)にゃんฅ(^ω^ฅ)
・・・また、「或る詩人の生涯」では、
音楽をきく
黙然として一日きく
・・・(略)・・・
いまはすでに
ここに弾かれざるものなく
ここに
あらわれざるものを知らず。
とうたい、自分のこれまでの長い人生を音楽の中に感じ尽している詩人の姿があります。
ここで犀星はどんな音楽を聴いていたのかなぁと考えるのは蛇足ですが、ベートーヴェンの『第九』とか、あるいは『弦楽四重奏曲』とかだったかもしれませんね。
日本の抒情詩は西洋の作品なしに発展しえなかったわけですが、犀星の詩からはいつも強いジャパニーズ・ソウルを感じる私です。海外に長期滞在することがあったら、梅干しやお茶漬とともに、私は犀星の詩集を持っていくでしょう。
※画像は先日ぶらり旅行してきた旧軽井沢にある、室生犀星記念館の一室を撮ったものです。
この記事にコメントする
プロフィール
- ニックネーム
- tana
- 性別
- 男性
- 自己紹介
- はじめまして。tana(ターナ)と申します。
ボーカロイドを用いた楽曲をはじめ、シンセ・ポップ、テクノ、アンビエントなど、電子音楽を幅広く制作しています。ジャンルを横断しながら、音の質感や空気感を大切にした作品づくりを行っています。 - 好きなアーティスト
- ブライアン・イーノ、クラフトワーク、ピンク・フロイド、ブラック・ドッグ、デヴィッド・ボウイ、エリック・ドルフィー、バッハ、シューベルト、ジャン・クリストフ、初音ミク等。
- 注意事項
- tnd musicは各種アフィリエイト・プログラムに参加しています。
最近の記事一覧
カテゴリー
携帯用QRコード
- アクセス数

- ページビュー数
