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殺人遊園地への招待状



 ダンッッッ!!!


「きゃっ!!」


もの凄い地響きを轟かせ、化け物が高台から床へと飛び降りてきた。

垂れ下がった頭部は不気味に揺らめき、口元…と言ってよいのか躊躇われるほど腐敗して歯茎が剥き出しの部分には、直樹の血液が大量に付着している。

生気の無い淀んだ眼球は2人を捉え、舌なめずりしながらゆっくりと近付いて来る。


「もう駄目……食べられる………」


すると突如、高台から椅子が勢いよく落下した。




「グアァァァァァッッ!!」


化け物は椅子の直撃を受け、腐りかけた身体はいとも容易く真っ二つに裂かれて床に転がる。

気色の悪い緑色の液体がドクドクと溢れ出し、やがてピクリとも動かなくなった。



裕美と涼子は呆然と立ち尽くしていた。

そして裕美はフラフラと床に倒れた椅子へと歩み寄る。


「……直樹……助けてくれたの……?
……なんで……なんで直樹まで……殺されなきゃいけないの………
うぅ……直樹……直樹ぃぃぃ!!」



裕美は泣き叫ぶ……

結婚も考えていた。
直樹となら、きっと楽しい家庭を作れると思っていた。

その直樹は今、椅子に僅かにこびり付いた肉片となっている………


と、裕美は椅子の背もたれ部分に何やら光る物を見つけた。


「これは………」


去年の直樹の誕生日に、裕美がプレゼントしたクロスのネックレスだった。


「直樹……これ、いつも身に着けていてくれたよね………」


たまに弄ぶことが癖になっていた程、直樹はネックレスを愛用していた。


「私がプレゼントしたからって、気にせず外してもいいんだよ?」
と言う裕美に、
「俺、このネックレスに願掛けしてるから……ぜーったい外さない!」
と、おどけながらも本当に大切にしてくれていた。


ネックレスに裕美の涙が零れ落ちる。

挙げればキリが無い程の楽しい思い出は、どれも直樹の優しさと暖かさで満ちていた。


「直樹……これからもずっと側にいてくれる?」


裕美はポケットからハンカチを取り出すと、ネックレスに付着した血を拭き取り、自分の首に着けた。


「………裕美……大丈夫?」


涼子は裕美の肩に手を乗せると、心配そうに声をかけた。


「うん……大丈夫。……ごめんね、涼子。
私、もう諦めないよ。
絶対に……絶対に生き延びようね!」


「裕美………うん、頑張ろう!
直樹君と香織の分まで……絶対に!!」



裕美と涼子は涙で汚れたお互いの顔を拭き合い、ぎこちないながらも笑顔を交わした。

そして固く手を繋ぎ、3階を後にしたのだった。


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