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殺人遊園地への招待状


怨霊は目にも止まらぬ速さで裕美に迫り来る。


「きゃあぁぁぁっ!!」


「裕美ちゃん!!……う……身体が……!?」


他の者は金縛りになり、全く身動きが取れない。


[憎い……憎い……憎い………お前らみんな………死んでしまえ…………]


怨霊の血走った眼から、どす黒い血が流れ落ちる。

口からは、それが何かよく分からない強烈な悪臭の液体が溢れている。

怨霊は腐りかけた手で、裕美の首を握り締め持ち上げた。


「くっ……苦し……い………」


裕美はジタバタともがくが、怨霊の手は緩まることを知らずびくともしない。


「裕美ーーっ!!」


「裕美ちゃん!!」


沙耶香と雅人の声が遠くに聞こえ、裕美は意識を失いかけてきた………



「私……死んじゃうの……かな………
そう望んではいたけど………
なんだか少し……悲しい…か…な………」


裕美が諦めかけたその時、


[グッッ!!]


突然怨霊の手が裕美の首から離れ、裕美の身体は床に落とされた。

裕美は激しく咳き込む。


「な、なんだ……?どうしたんだ?」


隆は呆然とその様子を見ていると、怨霊の視線が裕美の胸元に行っていることに気付く。


[こ……小賢しい!そんな物を……くそぉぉぉ!!]


苦悶の表情を浮かべたまま、怨霊は砂のように消え去っていった………


「……えっ……消え…た?」


いつの間にか皆の金縛りも解けていた。


「裕美ちゃん!大丈夫か!?」


「う…うん……なんとか……大丈夫みたい。
ありがとう、雅人くん。」


皆、それぞれの無事を喜び合う。

短いようで長かった恐怖の一時がようやく終わりを遂げた。



「それにしても、あいつらが言ってた『そんな物』ってなんだろ?」


沙耶香の言葉で、裕美は思い出したようにクロスのネックレスを皆の前に差し出す。


「きっと、これのおかげだと思う……」


「うん、確かに俺も見てた。あいつ、そのネックレスを見た途端、苦しみだしたのは間違いないと思うよ。
って、幽霊は十字架が嫌いなのかぁ?
ドラキュラだけかと思ってたよ。」


隆が呑気なことを言うが、裕美は笑顔を見せて話を続ける。


「これはね、私の彼氏が身に着けていたネックレスなの。
直樹が……また助けてくれた………」


「……うん、きっとそうだよ!
裕美さんの彼氏は素敵な人だったんだね!」



「……ふ~ん……ネックレスねぇ………」


裕美の頭をそっと撫でる優子の隣で、沙耶香が何やら考え込んでいることに、誰も気付いてはいなかった。



「これで2度目だね、直樹に助けられたのは……
生きていた頃より色々してくれちゃってさ……
………ありがとう……直樹………」


裕美は涙を浮かべる。


とはいえ、ここで早くも1人犠牲者が出てしまった。


「美紀……どうしてこんなことに……」


裕美達は美紀の遺体に向かって手を合わせ、暫く悲しみに暮れた後、涙を拭き取り6階を目指すことにする。


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