殺人遊園地への招待状
頂上では雅人が入念にゴムをチェックしている。
「うん、ゴムの亀裂は無し。優子……行けそうか?」
「……駄目!怖い……怖いよ、雅人!
私には無理だよ……ごめ…ごめんな…さい……」
優子は号泣しだした。
極度の高所恐怖症の優子にとって、頂上まで来られたことだけでも奇跡のようなもの。
ここからジャンプをするなど、到底無理な話だった。
「優子。酷なこと言うけど……
全員が跳ばないと先へは進めない。優子にかかってるんだよ。
頼む!ここは何とか頑張ってくれないか?」
雅人は優子の恐怖心を煽らないよう、穏やかな口調で諭す。
暫しの沈黙。
嗚咽を漏らしながら自分の両頬を手のひらで叩くと、優子は雅人を見つめた。
「わ…分かっ…た……私の後には…裕美さん…も……跳ばなくちゃ…いけない……
私で……足止めをくわせる訳には…いかない…もんね……」
雅人は優子の手を握り、耳元で何かを囁いた。
「なっ!?おっ、おい、雅人ーっ!お前なにやってんだよーーっ!!」
階段の途中で身を乗り出し見上げる隆からは、雅人と優子が何を話しているか、何をしているのかもよく見えない。
が、顔を接近させていることだけは分かる。
「隆!変な勘違いするなよな!ただ励ましただけだ!
もうすぐ優子がジャンプするから応援しとけ!」
優子は瞼を閉じて、ようやくジャンプ台に立つ。
「雅人……私、頑張るよ。
……じゃあ……行くね!」
両手でロープを持ち瞼を閉じたまま、前方へ重心を傾け優子は飛び降りた。
ヒュウゥゥゥゥ………
「優子!!」
………………優子も成功していた。
「う………うわぁぁぁぁん!
怖い!怖いよぉぉっ!怖かったよぉぉぉ!!」
優子はゴムにぶら下がったまま、安堵から涙が止めどなく溢れている。
「優子、すぐ下ろしてやるから早くロープを投げろ!」
駆け下りてきた雅人も手を貸す。
優子の身体がようやく階段へおろされると、隆は力強く抱きしめ無事を喜んだ。
「よく頑張ったな、優子!偉いぞ!」
「な……なによ……隆に偉いなんて言われたって……嬉しくない……
ううん……ごめん……ありが…とう……」
そんな2人に裕美も笑顔を向ける。
「良かった……みんな無事で……本当に良かった!
いよいよ……私で最後!」
隆は優子を抱きしめたまま、笑顔で裕美にエールを贈る。
「裕美ちゃんも頑張ってな!絶っっ対に大丈夫だから!」
裕美は親指を立てて気合いを見せると、階段に足を掛けた。
「裕美ちゃん、俺も一緒に行……」
「大丈夫だよ、雅人くん。心配しないでね。」
雅人の言葉を遮るように裕美は申し出を断る。
何度も階段を往復している雅人に、これ以上負担をかけたくなかった。
そして自分自身を奮い立たせる為でもあった。
「……ぐすっ…ひ…裕美さん……頑張って…ね……」
「うん、ありがとう優子さん!
優子さんも頑張ったんだもん、私も頑張らなきゃね!」
皆と固く握手を交わし、裕美は一人、階段を上がって行った。
「うわぁ……想像以上に高いなぁ……
これは高所恐怖症じゃなくても相当怖いわ……」
裕美も身体が勝手に震えだしていた。
『直樹……私を守ってね……』
ネックレスのクロス部分を強く握ると、裕美は恐怖を断ち切り飛び降りた。
ヒュウゥゥゥゥ………
………………ブチッッッ!!
「裕美ちゃん!!」
「いやぁぁぁっ!!裕美さん!!」
下で見守っていた3人の悲鳴が響く。
雅人があれほどしっかりと確認したゴムが、意図も簡単に千切れたのだ。
「きゃあぁぁぁぁっ!!」
いつの間にか床には巨大な穴が開いていて、裕美は吸い込まれるように深い闇へと落ちていった………
「うん、ゴムの亀裂は無し。優子……行けそうか?」
「……駄目!怖い……怖いよ、雅人!
私には無理だよ……ごめ…ごめんな…さい……」
優子は号泣しだした。
極度の高所恐怖症の優子にとって、頂上まで来られたことだけでも奇跡のようなもの。
ここからジャンプをするなど、到底無理な話だった。
「優子。酷なこと言うけど……
全員が跳ばないと先へは進めない。優子にかかってるんだよ。
頼む!ここは何とか頑張ってくれないか?」
雅人は優子の恐怖心を煽らないよう、穏やかな口調で諭す。
暫しの沈黙。
嗚咽を漏らしながら自分の両頬を手のひらで叩くと、優子は雅人を見つめた。
「わ…分かっ…た……私の後には…裕美さん…も……跳ばなくちゃ…いけない……
私で……足止めをくわせる訳には…いかない…もんね……」
雅人は優子の手を握り、耳元で何かを囁いた。
「なっ!?おっ、おい、雅人ーっ!お前なにやってんだよーーっ!!」
階段の途中で身を乗り出し見上げる隆からは、雅人と優子が何を話しているか、何をしているのかもよく見えない。
が、顔を接近させていることだけは分かる。
「隆!変な勘違いするなよな!ただ励ましただけだ!
もうすぐ優子がジャンプするから応援しとけ!」
優子は瞼を閉じて、ようやくジャンプ台に立つ。
「雅人……私、頑張るよ。
……じゃあ……行くね!」
両手でロープを持ち瞼を閉じたまま、前方へ重心を傾け優子は飛び降りた。
ヒュウゥゥゥゥ………
「優子!!」
………………優子も成功していた。
「う………うわぁぁぁぁん!
怖い!怖いよぉぉっ!怖かったよぉぉぉ!!」
優子はゴムにぶら下がったまま、安堵から涙が止めどなく溢れている。
「優子、すぐ下ろしてやるから早くロープを投げろ!」
駆け下りてきた雅人も手を貸す。
優子の身体がようやく階段へおろされると、隆は力強く抱きしめ無事を喜んだ。
「よく頑張ったな、優子!偉いぞ!」
「な……なによ……隆に偉いなんて言われたって……嬉しくない……
ううん……ごめん……ありが…とう……」
そんな2人に裕美も笑顔を向ける。
「良かった……みんな無事で……本当に良かった!
いよいよ……私で最後!」
隆は優子を抱きしめたまま、笑顔で裕美にエールを贈る。
「裕美ちゃんも頑張ってな!絶っっ対に大丈夫だから!」
裕美は親指を立てて気合いを見せると、階段に足を掛けた。
「裕美ちゃん、俺も一緒に行……」
「大丈夫だよ、雅人くん。心配しないでね。」
雅人の言葉を遮るように裕美は申し出を断る。
何度も階段を往復している雅人に、これ以上負担をかけたくなかった。
そして自分自身を奮い立たせる為でもあった。
「……ぐすっ…ひ…裕美さん……頑張って…ね……」
「うん、ありがとう優子さん!
優子さんも頑張ったんだもん、私も頑張らなきゃね!」
皆と固く握手を交わし、裕美は一人、階段を上がって行った。
「うわぁ……想像以上に高いなぁ……
これは高所恐怖症じゃなくても相当怖いわ……」
裕美も身体が勝手に震えだしていた。
『直樹……私を守ってね……』
ネックレスのクロス部分を強く握ると、裕美は恐怖を断ち切り飛び降りた。
ヒュウゥゥゥゥ………
………………ブチッッッ!!
「裕美ちゃん!!」
「いやぁぁぁっ!!裕美さん!!」
下で見守っていた3人の悲鳴が響く。
雅人があれほどしっかりと確認したゴムが、意図も簡単に千切れたのだ。
「きゃあぁぁぁぁっ!!」
いつの間にか床には巨大な穴が開いていて、裕美は吸い込まれるように深い闇へと落ちていった………
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