殺人遊園地への招待状
-男と愛人-
※雅人・優子・隆側へ移ります。
~エルタワー 31階~
「なんだ、このフロア!さ……寒っっっ!!」
31階の扉と開けると、隆は開口1番で寒さを訴え息が白く色付く。
「きゃっっ!」
優子は豪快に転び、尻もちをついた。
「優子、大丈夫か?ほら、手。
ここは……全面、氷の世界だな。
早く次の階に行かないと、こんな薄着じゃ凍死してしまうぞ。」
雅人は優子に手を差し延べつつ周りを見渡すと、次の階への階段が意外にも真っ直ぐの方向に見て取れた。
ピンポンパンポーン
「このフロアのアトラクションはアイスボックスです。
氷点下10度の世界をお楽しみ下さい。」
3人は身震いするが、それが寒さのせいなのかアトラクションへの恐怖なのかは定かではない。
隆と優子は揃って歯をガチガチと鳴らしている。
「マ…マイナス10度ぉぉ……無理!さみぃ!」
「れ、冷凍庫の中だね……さ…寒いよぉ……早く行こう!」
ピンポンパンポーン
再び館内放送が流れる。
「尚、ご覧頂いております通り、床や壁等は全て氷で出来ており非常に滑りやすくなっております。
慎重にお進み下さいませ。
また、氷は特殊な加工をしております為、急いだことにより勢いが付きますと壁に激突する恐れもございます。」
四方八方の壁には鋭く尖った氷柱が無数に飛び出している。
「簡単に言ってくれるよ!激突なんてしたら串刺し確定じゃんか!」
館内放送は尚も続く………
「更にこのフロアには制限時間を設けてあります。
20分以内に階段まで辿り着けなかった場合には、フロアの温度が急上昇し、天井の氷柱が落下してしまいます。
以上、アトラクションの説明を終了させて頂きます。
それでは………スタートです。」
なんの前触れもなく突き付けられたスタートという言葉に3人は動揺した。
しかし神妙な顔つきの雅人とは違い、隆は指で鼻を擦りなら余裕の笑みを浮かべる。
「ふん、制限時間20分だってさ!真っ直ぐ行けば階段があるんだし、20分もいらねぇじゃん。」
雅人は呆れたように溜め息をつく。
「……お前はほんとに……ちょっとは学習しろよ!
そんな単純に済むワケが無いだろ!」
「そうね、絶対に罠があるはず。隆、慎重にね!」
隆は分が悪そうに頭を掻いた。
3人は恐る恐る一歩を踏み出し、ゆっくりと小幅で歩き始める。
「こんなにのんびりしてたら20分で階段の所にまでなんて着かねーっての!
どうすりゃいいんだよーっ!」
嘆く隆を尻目に、雅人はある事に気がついた。
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