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殺人遊園地への招待状




タイムリミットを知らせる館内放送が流れると、雅人は追うように声を上げた。


「うん、いけるかもしれない!」


「マジかよ!どうやって!?」


「詳しい説明は抜きだ!
いいか、今から俺が言う事を急いで手際よくやるんだ!」


隆と優子は慌てて何度も頷いた。


「まずは食パンとジャムと水以外の物は必要ないから、すぐに全部しまうんだ!」


「はっ?こんな時に飯にするのかよ……
最後の晩餐なんて冗談いらねーよ?」


「アホッ!いいから早くしろ!」


「ほら、隆!黙って雅人の言う通りにしよ?」


3人は大急ぎで食パン、ジャム、水以外の持ち物を鞄に収めると再び背負う。


「で、これらをどうするの?」


「あぁ、まずジャムをあの真横に滑る床に1歩分だけ塗る。
ジャムは糖、酸、ペクチンという3つの要素でゲル化している訳だが……」


「ちょい、雅人!説明はあと……だろ?」


隆に忠言されると雅人はハッと我に返り、続きを話し始める。


「まぁ要は、水分が少なくドロッとしているから、マイナス10度程度じゃ凍りにくいんだ。
で、このジャムをセメント代わりにする。
食パンには水を含ませて数回も振り回せばカチカチに固まるから、これをタイル代わりにする。」


「そっか!それで少しずつ道を作るんだね!
あ、道じゃなくてもジャンプしない程度の足場を作れば問題無いよね?」


優子は拍手しながら雅人を賞賛した。


「ああ。ただ、もしかしたらジャムセメント自体も滑ってしまうかもしれない。
そうなったらもう手段は………」


雅人の肩に隆が励ますように手を乗せる。


「とにかくやってみようぜ!これが上手くいけば俺達は勝ったも同然だ!」


3人は互いを見合い、気合いを入れるように深く頷く。

雅人はジャムを中央の氷に塗ってみると、滑る様子も無く固定されたままだった。

食パンタイルを作り貼り付けてみても、心もとなくはあるが滑らずには済みそうだ。


「やったな、雅人!」


「ああ!」


隆と優子が食パンタイルを作り、雅人がジャムを塗って貼り付けていくことにする。



   ピンポンパンポーン


「残り時間5分です。」



館内放送は無情にも、残り時間の少なさを告げる。


「ヤバいぞ!急ごう!」


それ以降、一言も喋らず黙々とタイルを貼っていく。

皆とっくに手の感覚は無くなり、霜焼けやあかぎれで痛々しい程に赤くなっていたが、弱音を吐く時間など無い。

中央の氷には徐々に1人ずつ渡れる位の足場が完成していった。



   ピンポンパンポーン


「残り時間1分です。」


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