リリスの嘆き
第三章
蛇の目
アガシャラは人の姿に戻っていた。その右目から流れる血は既に止まろうとしていた。だが、脈動する激痛はまだ治まってはいなかった。その痛みが脈打つ度に彼は増悪が増大していくことを感じていた。誰に向けられた増悪なのか、それは紛うことなくこの右目を撃った人間にだった。その人間は、彼が獲物を仕留めようとしていた時に、それを邪魔したのだ。これまで彼は獲物を逃したことはなかった。特に人間という際立った武器をその体に持たない存在は尚更の事だった。だから余計に悔しかった。
仕切り直しをしなければならない。
アガシャラはそう考えていた。
潰された右目は回復しないだろう。
あの人間は、銀の銃弾を持っていた。それは、この世の存在ではないものの存在を知っている者だけが持つ代物だった。あの人間もそうなのだとろか?アガシャラは田宮からの指示の内容を思い返していた。
確か田宮は『狩人』という存在のことを口にしていた。自分たちと敵対する勢力の一つであると。だが、それも先のキメラ事件の際に多くが滅ぼされたと聞いている。それではあの男はその生き残りなのだろうか?そうであるならば、あの男をそのままにしていると彼の使命が果たしにくくなってしまう。
何とかしなければ…。
アガシャラの中に微かな焦りが生まれた。
だが、どうすればいいのだ?
アガシャラは蓄積された永い記憶の中にその答を見出そうとしていた。しかし、妙案は浮かんでこなかった。
そもそもアガシャラは、小島のことを知らなかった。彼が刑事であること。そして、銀の銃弾は横尾から手に入れたものであること。その銃弾は残り一発しかないこと。
しかし、これだけはわかっていた。
小島とともに割って入ってきた恵とは何らかの繋がりがあるであろうということ。
ならば、あの女を仕留めればいいではないか。
アガシャラの中にそんな考えが不意に浮かんだ。
そうすれば、あの男は必ず自分の前に現れるはずだ。そこを仕留めてしまえばいい。それにこの方法であれば自分も良い晩餐にありつけるのだからな…。アガシャラは不敵に笑った。
「標的を変えたのかい?」
不意に背後から田宮の声が聞こえてきた。
アガシャラは振り返るとひとつ頷いた。
「おや、その眼はどうしたんだい?」
田宮の言葉にアガシャラは事の顛末を説明した。
「そうか、もう一人生き残っていたのか…」
田宮は宙を見上げた。
「まぁ、邪魔者は排除しておいたほうがいいね」
田宮の言葉にアガシャラは再び頷いた。
仕切り直しをしなければならない。
アガシャラはそう考えていた。
潰された右目は回復しないだろう。
あの人間は、銀の銃弾を持っていた。それは、この世の存在ではないものの存在を知っている者だけが持つ代物だった。あの人間もそうなのだとろか?アガシャラは田宮からの指示の内容を思い返していた。
確か田宮は『狩人』という存在のことを口にしていた。自分たちと敵対する勢力の一つであると。だが、それも先のキメラ事件の際に多くが滅ぼされたと聞いている。それではあの男はその生き残りなのだろうか?そうであるならば、あの男をそのままにしていると彼の使命が果たしにくくなってしまう。
何とかしなければ…。
アガシャラの中に微かな焦りが生まれた。
だが、どうすればいいのだ?
アガシャラは蓄積された永い記憶の中にその答を見出そうとしていた。しかし、妙案は浮かんでこなかった。
そもそもアガシャラは、小島のことを知らなかった。彼が刑事であること。そして、銀の銃弾は横尾から手に入れたものであること。その銃弾は残り一発しかないこと。
しかし、これだけはわかっていた。
小島とともに割って入ってきた恵とは何らかの繋がりがあるであろうということ。
ならば、あの女を仕留めればいいではないか。
アガシャラの中にそんな考えが不意に浮かんだ。
そうすれば、あの男は必ず自分の前に現れるはずだ。そこを仕留めてしまえばいい。それにこの方法であれば自分も良い晩餐にありつけるのだからな…。アガシャラは不敵に笑った。
「標的を変えたのかい?」
不意に背後から田宮の声が聞こえてきた。
アガシャラは振り返るとひとつ頷いた。
「おや、その眼はどうしたんだい?」
田宮の言葉にアガシャラは事の顛末を説明した。
「そうか、もう一人生き残っていたのか…」
田宮は宙を見上げた。
「まぁ、邪魔者は排除しておいたほうがいいね」
田宮の言葉にアガシャラは再び頷いた。
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